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2023

三浦半島の自然と歴史(21)浦賀散策

 浦賀駅の階段を下りると、造船所跡の巨大な建物が見えます。現在浦賀でしか見られない、レンガ造りのドライドックです。1899年に浦賀船渠(せんきょ)株式会社により建造されました。2003年に閉鎖されるまで、日本丸や海王丸、青函連絡船、護衛艦など、約1000隻に上る船が修理・建造されたそうです。
 浦賀は、東京湾を守るように突き出た三浦半島の先端付近にあり、湾が内側へ長く延びており、対岸へ行くにはぐるっと沿岸を回る必要があります。そのため、享保10年(1725年)から渡船が使われ、当時から現代まで地元の人の大切な足となっています。ポンポン船の愛称で親しまれる愛宕丸は、御座船風の小型の船(4.8t)で、渡船場には海鼠(なまこ)壁の待合所があります。対岸までわずか3分ですが、周りをゆっくり見ることができます。
 湾を挟んで東西にふたつの叶(かのう)神社があり、文字通り願い事が叶うといわれています。西叶神社の狛犬は2頭とも口を開けている阿形(あぎょう)で、東叶神社の狛犬は2頭とも口を閉じている吽形(うんぎょう)(半分開いたようにも見えますが)です。両神社の狛犬それぞれは阿吽の形態を取っていないので、東西1頭ずつで一対、それが二対あるという説もあります。西の狛犬は、子犬2頭が親から離れて隠れています。

認定NPO法人 バイオメディカルサイエンス研究会 常任理事前川秀彰

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