ストレス社会を心穏やかに生きる(106)「根源[ふるさと]」に想いを馳せて

　お盆の季節となり、夏の暑さ益々厳しき折、皆さま体調など崩されていらっしゃいませんでしょうか。引き続き、ご自愛賜りたく存じます。
　毎年、全国の寺々では、13日の迎え盆から、16日の送り盆まで、お檀家のご先祖さまをはじめ、数多(あまた)の諸精霊をお迎えし、懇(ねんご)ろにご供養申し上げているところです。龍興寺にも、多くの檀信徒皆さまがご参拝くださり、ご一緒に大切な御魂(みたま)のための勤行(ごんぎょう)を申し上げております。
　暑さに包まれながら、「心」と申しますか、「命」と申しましょうか、お経を唱えながら、私たち自身の「根源(こんげん)(ルーツ)」に向かって想いを馳せております時間は、何とも清々しく、心地よいものがあります。
　近年は、時代の流れと共に、各ご家庭の環境や習慣というものも様々に変容を遂げ、特に、都心部では、お盆の季節には、里帰りやお墓参りよりも、ご旅行などを楽しみにされることの方が多くなったと聞きます。
　時代が変われば、環境や習慣が変わりますのは当然のことで、様々に外身が変われば、色々に中身も変わっていくものです。しかし、いつの時代にも、変わらない「心(こころ)」というものがあろうかと思います。「心[いのち]」とは不思議なもので、いつどこにいても届けることができ、いつどこにいても帰ってきてくれるものです。宜しければ、こんな暑い季節だからこそ、ご自身の「根源[ふるさと]」に想いを馳せてみてはいかがでしょうか。

合掌

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