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2023

三浦半島の自然と歴史(22)少し派手な模様のカメムシ

 ベランダの植木鉢に、黒地に黄色の条紋があるカメムシに似た甲虫を何匹も見つけました。この植木鉢は引っ越しのために三浦から持ってきたもので、三浦で産み付けられた卵から孵化したと思われました。早速図鑑で調べましたが該当するものが見つからず、その後ネットで検索した中に似たものが見つかりました。ナガメの幼虫です。色も模様も成虫とはまったく異なるものでした。見つけた甲虫をよく見ると翅がありませんので、初めから「幼虫」で調べるべきだったのでしょう。
 ナガメは、菜の花につくカメムシ(菜亀)という意味だそうです。中国と日本の北海道から九州に分布しており、黒地にだいだい色の条紋を持っています。アブラナ科の植物を食草としています。ナガメに似たヒメナガメという種類もありました。ナガメと条紋の色は同じですが、胸部の黒紋がナガメは左右に2個ずつ、ヒメナガメは前方に2個と後方に4個あります。また中央あたりの模様にわずかな違いもあります。ナガメより気温が高いところに生息するため、本州から九州、台湾、中国、東南アジア、それにインド、オーストラリアにも分布するそうです。ただし、幼虫は両種とも見分けがつかないくらい似ています。
 ベランダの植木鉢にいた幼虫は、成虫になる前にいなくなってしまい、ナガメかヒメナガメかの判別がつきませんでした。

認定NPO法人 バイオメディカルサイエンス研究会 常任理事前川秀彰

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