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10/3

2023

誌上でめぐる世界の恐竜化石(14)タンザニア(前編)

 今から約2億3000万年前の中生代三畳紀、爬虫類は四足歩行で、現代のワニやトカゲのようにヒジとヒザを胴体の横に突き出して地面を這っていました。
 恐竜は、ヒザを胴体の横に突き出さず、胴体の下方にまっすぐに伸ばしていました。他の四足歩行の爬虫類よりも速く走ることができるため、繁栄していったと考えられています。また、恐竜の骨盤には大きな穴があいていて、その穴に後ろあしの大腿骨がはまりこむためガニ股にならず、コンパスも長くすることができるのです。
 アフリカのタンザニアに広がるその三畳紀の地層から、全長1.3mくらいの爬虫類の化石が発見されました。それは前あしが短いことから二足歩行をしていたと考えられ、2010年にアメリカの古生物学者によって「アシリサウルス・コングウェ(Asilisaurus kongwe)」と名づけられました。アシリとはスワヒリ語で「祖先」、サウルスはギリシア語で「トカゲ」という意味です。
 私たち古生物学者は、化石を発見すると骨盤の穴の有無を確認します。穴があいているなら恐竜ですし、穴がなければ恐竜ではありません。アシリサウルスは骨盤に穴があいていないので、通常は恐竜には分類されませんが、恐竜にとても近縁な爬虫類だと考えられています。

独立行政法人 国立科学博物館 副館長・研究調整役真鍋真

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