イカリホールディングス株式会社 よりそい、つよく、ささえる。/環文研(Kanbunken)

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2023

ちょっと気になる新技術(39)生卵溶き器「ときここち」

 卵かけご飯といえば日本ならではの食文化ですが、「白身のドロッとした食感がイヤ」と敬遠する人は少なくありません。白身は箸でかき混ぜても、なかなかうまく混ざりません。そんな生卵溶きに特化した調理器具(商品名「ときここち」)が注目されています。
 片手サイズの軸の先端に楕円フレームがあり、内側に0.7mmという超極細のワイヤーが張ってあるのが特徴です。生卵を20秒ほどかき混ぜると、超極細のワイヤーによって白身のドロッとした塊も黄身も細かく断ち切られ、完全に混ざります。白身のドロドロやヌルヌル感は跡形もなくなり、全体がサラサラの液状になるのです。
 開発したのは、東京都荒川区で板金工場を営む株式会社トネ製作所の利根通社長です。奥様は生卵の白身が苦手でした。「白身が箸で混ざらないのは、ドロッとした塊が箸の表面を滑るからだ」と気が付いた社長が開発を始めました。白身を断ち切るために箸の先に細いカッター刃を付けたり、茶筅(ちゃせん)状にしたりと、1年半もの間実験と試作を繰り返し、ようやく現在の形状にまとまりました。フレーム内側の斜めに張ったワイヤーは、ゆで卵の断面をデザイン化したものです。製品は2023年に「第6回荒川区新製品・新技術大賞」優秀賞を受賞しました。利根社長の奥様は、今では抵抗なく卵かけご飯を食べているそうです。

一般社団法人 発明学会 顧問平井工

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