自分の感情を言葉にする価値

　皆さんはこれまでに、どのような成功体験や充実していたと思う体験をお持ちですか？たとえば、学生時代に部活動で全国大会に出場したという方もいらっしゃるかと思います。この場合、全国大会出場という成果を得るために厳しい練習や努力を重ねたと思いますが、それだけで成果に到達できたのでしょうか。
　人は何か成果を得たいとき、「何をするか」という行動に意識が向きがちですが、「どんな気持ちでするか」も重要な要素です。先ほどの全国大会出場の例でいうと、「苦楽を共にした仲間と一緒に全国大会に行きたい」、「応援してくれる親や友人の期待に応えたい」といった感情面です。つまり、高い成果は「何をするか」と「どんな気持ちでするか」の掛け算で生み出されます。
　では改めて、皆さんが充実感を得ていた体験を思い出してください。その時「どんな気持ち」で取り組んだから、成果につながったのでしょうか。成果を出すために必要な「気持ち」は、自身の体験を通じた事実として、すでに皆さんの中に存在しています。この「気持ち」を、ぜひ一度言葉にしてみてください。これを企業に置き換えると、いわゆる経営理念というものになりますが、日々意識することで人生や仕事がより充実し、望む成果を得るきっかけになると思います。

全部または一部を無断で複写複製することは、著作権法上での例外を除き、禁じられています