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2024

雌だけで繁殖するゴキブリ

 昆虫の中には雌だけで繁殖するものがいます。これは「単為生殖」と呼ばれ、アブラムシなどは季節的に単為生殖と両性生殖を繰り返します。
 太古からその姿をほとんど変えずに生きてきたゴキブリは、私たちの家に居候する嫌われ者です。しかし、彼らがきわめて平和的な昆虫であることはあまり知られていません。彼らが集団で生活するためにフェロモンを発することはあまりにも有名です。餌がない状態でも、死んだ仲間は食べますが共食いはまれのようです。また、雌だけになっても、ワモンゴキブリやクロゴキブリは単為生殖によって繁殖を続けます※1 。このような特性が、ゴキブリが地球上に長く生存できている理由のひとつかもしれません。
 ワモンゴキブリは単独だと長生きしますが、産卵は遅れ、単為生殖はしません。しかし、複数の雌を容器に入れると早く産卵を開始し、産まれた卵ケースからは未受精の幼虫が孵化します。主に雌が発する性フェロモンを単独の雌に送り続けたり、交尾ができないように手術した雄を加えても効果はないようです。一方、雌の触角を除くと雌同士の刺激効果がなくなることがわかっており、まだ謎だらけです。雌だけで飼い続けると、5世代にわたり少なくとも3年間は雌だけのコロニーを維持できたという記録があります※2 。

※1  Xian X. (1998) Medical Entomology and Zoology, 49: 27–32. (https://doi.org/10.7601/mez.49.27_1)
※2  Katoh K. et al. (2017) Zoological Letters 3:3. (https://zoologicalletters.biomedcentral.com/articles/10.1186/s40851–017–0063-x)

元農林水産省 蚕糸・昆虫農業技術研究所 研究室長田中誠二

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