イカリホールディングス株式会社 よりそい、つよく、ささえる。/環文研(Kanbunken)

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3/1

2024

ストレス社会を心穏やかに生きる(113)「鬼」とは何か(2)

 先月、「鬼」の容姿(すがた)は、鬼門である「丑寅(うしとら)(艮(うしとら))」の方角に由来し、「鬼」が活動する時間帯は、丑寅の時刻(深夜2時から4時頃)であることをお伝えいたしましたが、古来より、「草木(くさき)も眠(ねむ)る丑三(うしみ)つ時(どき)、水(みず)も静(しず)まる寅(とら)の刻(こく)」と申しまして、特に、真夜中の午前2時から30分頃がもっとも魔物(「鬼」)が跳梁(ちょうりょう)する時刻だと言われています。
 昔話『桃太郎』の中で、「猿(さる)・雉(きじ)・犬(いぬ)」が仲間になりますが、これは、「丑寅(艮)」の反対側(裏鬼門)にあたる「未申(ひつじさる)(坤(ひつじさる))」の方角に由来し、裏鬼門の時刻より順番に出会っていく「申(さる)・酉(とり)・戌(いぬ)」が仲間になっていくのです。「桃」もまた、古来、邪気を祓う果実とされ、「艮(うしとら)(李(すもも))・巽(たつみ)(杏(あんず))・中央(棗(なつめ))・坤(ひつじさる)(桃(もも))・乾(いぬい)(栗(くり))」という『陰陽五行(いんようごぎょう)(木火土金水(もっかどごんすい))説(せつ)』の「五果(ごか)」に由来し、「申(智(ち))・酉(勇(ゆう))・戌(仁(じん))」の才徳もまた、「仁義礼智信(じんぎれいちしん)」という「五常(ごじょう)」に通じます。
 先人たちは、「鬼」という存在を畏怖の念をもって見つめて来ました。「鬼とは何か」ということを考えます時、実は、私たちに潜む「邪心(じゃしん)」というものだと思います。「鬼が住む地獄(じごく)とは人の心にこそあり、仏の住む極楽(ごくらく)もまた然(しか)り」と申します。世界に目を向ければ、戦争だ何だと鬼の所業が飛び交っています。己の「鬼」を畏れ、己の「仏」を敬う。そんな心と祈りをもって、新しい年度をお迎えしたいと思います。

合掌

下野薬師寺別院 舎那殿壇 龍興寺 副住職阿波建多

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