- 日替わりコラム
Thu
3/7
2024
公衆衛生看護学の研究者である大阪大学大学院の岡本玲子教授が、保健師の活動について述べていることは食品衛生にも通じます。
人は、それぞれのライフステージにおいて運動不足や食生活の乱れなどの健康課題に直面する場合があります。それらの影響は目に見えにくいので普段は意識を向けられず、後まわしにされがちです。しかし、無視していても課題が解決するわけではありません。食品衛生においても同じで、微生物の活動は目に見えませんし、洗剤やアレルゲン物質、異物の混入も、事故が起きてしまってから課題対策の重要性に初めて気づくというのは悲しいことです。
岡本氏は事が起きる前に誰かが「見せる」ことをしなければならず、それこそが保健師の「生を衛る役割」であると述べ、Searching(探索)、Stimulating(活気づけ)、Facilitating(促進)、Policy/ResourceDevelopment(政策・資源開発)、Continuing Quality Improvement(継続的質改善)、Cooperation(協同)という6つのワザを挙げています。これらは、食品衛生の現場でも大いに活用できそうなもので、すでにいろいろな形で皆さんの職場で実践されているかもしれません。個々人の能力の向上や環境の改善を図るのに有効な手法なので、次回からはそれぞれの実例を紹介していきます。
リテールHACCP研究所山森純子
全部または一部を無断で複写複製することは、著作権法上での例外を除き、禁じられています
- アクセス