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Wed

3/13

2024

素晴らしき生きものたち(11)クマと人の未来

 本誌がお手元に届く頃、クマは山で冬眠して春を待っていることでしょう。昨年は街に多くのクマが現れ、被害者も出ました。悲しいことです。クマと人は生活圏を分けて暮らすべきですが、それが入り乱れてしまった今はお互いが不幸。なんとかしたいものです。
 山のドングリが不作なので空腹のクマが山から街に降りてきた、とマスコミはよく報道しました。事態はそんな単純ではありません。住環境、生息域、食資源、繁殖度、生息数に密度…それらの変動とからまり、そこにクマの高い学習力や適応力が加わり、クマの動きが決まります。
 本来それは奥山での話です。時々、里山に波及するものの、昔は人との住み分けが成立していました。人が手を入れて里山ははげ山と化し、クマたちが住める環境ではありませんでした。今から数百年前の江戸・明治時代はその頂点です。しかし人の手を離れ放置された里山の木々は増え続け、日本全体が成熟した森林に覆われて、森がつながってしまいました。こうなると、日本全体が動物の単一の生息域になりかねません。学習力、適応力の高いクマはきっとそう感じているでしょう。
 そうならないうちに、未だよく解明されていないクマの調査を深め、長期住み分け戦略を立て、実行する仕組みが必要です。これは地域や市町村、県単位の問題をはるかに超えた、国の先端課題だと思うのです。

富山市ファミリーパーク 名誉園長・元日本動物園水族館協会 会長山本茂行

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