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2024

ハイコンテクスト文化

 アメリカの文化人類学者エドワード・ホールは、1976年に著書の中で「ハイコンテクスト文化」、「ローコンテクスト文化」という概念を提唱しました。これは、コミュニケーションスタイルが、言葉以外の何かしらに依存しているか(高いか)、依存していないか(低いか)を表しています。いわゆる「空気を読む」コミュニケーションが求められる日本は、典型的なハイコンテクスト文化です。それに対して、ローコンテクスト文化の代表はドイツ(大きくは欧米)で、具体的な言葉で相手に情報を伝えようとします。たとえば、教員時代の夏目漱石は、「アイラブユー」という英語を「私はあなたを愛しています」と訳した生徒に、「日本人はそのような直接的な言い方はしない、その場合は『月が綺麗ですね』と言うのだよ」と言ったといわれていますが、まさにこのような表現がハイコンテクスト文化だといえます。
 コロナ禍後の日本は、オフィス回帰にシフトしていますが、その背景には、日本人が持つハイコンテクスト文化が影響しているのかも知れません。リモート・コミュニケーションは明確な言語に支えられたローコンテクスト文化を前提にしていて、行間や空気を読むハイコンテクスト文化には不向きなのかも知れないからです。ハイコンテクスト文化のためのリモートワークの方法が求められます。

東京造形大学 造形学部デザイン学科 教授地主廣明

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