イカリホールディングス株式会社 よりそい、つよく、ささえる。/環文研(Kanbunken)

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2024

ちょっと気になる新技術(46)ペットボトルのフタ開け「開けるくん」

 握力が弱っているために、ペットボトルのフタを開けるとき「指が滑る」、「指が痛い」など困る人が多くいます。佐藤美恵子さんもその1人ですが、輪ゴムをフタに数重巻きにして、その上から指で回すようにする方法を考えました。輪ゴムの摩擦力でフタを回すのが楽になります。輪ゴムではなく、もっとスマートにできないかと考えているうちに見つけたのは、ゴムのチューブです。輪切りにし、円筒状になったものをペットボトルのフタに被せると、上から指で握ることができます。上端に紐を通すと帽子のようになり、携帯もしやすくなりました。
 佐藤さんは「このアイデアを権利化する方法はないだろうか?」と、発明学会に相談に来られました。技術的には簡単なので、特許取得は無理そうですが、デザイン的には新しさがあります。相談員は、「意匠の権利が取れそう」と出願の方法を教えました。佐藤さんは自ら特許庁に手続きを行い、見事に意匠権を取得できました。佐藤さんは自分で材料をそろえ、手作りで商品化。1個440円で販売していると、バイヤーさんの目にとまり、毎月2~3000個売れるようになりました。意匠権により模倣は抑えられます。
 ちなみに佐藤さんは現在90歳。「死ぬヒマがないくらい忙しい」と、冗談を飛ばしています。

一般社団法人 発明学会 顧問平井工

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