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2024

パーパス経営とサステナ経営

 ここ数年、「パーパス経営」という言葉がビジネス界に浸透してきました。パーパスは受験英語では「目的」と訳されますが、ビジネスの世界では「存在意義」と訳すほうがしっくりきます。
 米国で「パーパス」が注目され始めたきっかけは、2008年のリーマンショックです。金融スキャンダルを機に経済が大混乱に陥り、各社の収益が大幅に悪化する中で、「なぜ自社は社会に存在するのか」、「自社がなくなれば社会は困るのか」と考える経営者が増えたことが背景にあるとされます。日本でも、自社のパーパス(存在意義)を定めたり、公表したりする企業が増えました。たとえば、花王株式会社はそのパーパスを「豊かな共生世界の実現」と定め、「創造と革新で、人と社会、地球の『きれい』に貢献し、すべてのいのちが調和するこころ豊かな未来をめざします。」と定義しています。
 そもそも「パーパス」は、サステナビリティと深い関係性があるとされます。それは、パーパス経営では売上高や利益だけでなく、「自社が社会にどう貢献できるか」を最重要視し、それを従業員の「求心力」としているからです。企業は、社会に貢献できなければ存在する意味はありません。その原点を見直し、その価値観を社員と共有することがパーパス経営だといえるでしょう。

『オルタナ』編集長森 摂

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