イカリホールディングス株式会社 よりそい、つよく、ささえる。/環文研(Kanbunken)

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Wed

1/22

2025

素晴らしき生きものたち(16)続・河川敷の歳時記

 日本は四季の国から夏と冬の二季の国になったのでしょうか。驚異的な残暑が去ったのは秋も半ばを過ぎてから。それでも昼は半袖、半ズボン。ようやく夜には虫の音を聞きながら涼しさに浸ることができました。柿の実の色づきや金木犀(きんもくせい)の香り、薪ストーブの初火入れの時期もずれ込みました。
 暑さを避けた日の出前の愛犬との河川敷散歩は4か月も続き、総距離は640kmになりました。中秋を過ぎたころにやっと日中へシフトできました。散歩コースは約8km、河川や河川敷、堤防、水田、丘陵といった広い開放空間が広がる場所です。毎日続けていると、さまざまな動きを感じます。早春から夏までトビが姿を消しましたが、秋にはなんとか2羽が戻ってきました。道端の新鮮なキツネの糞も増えています。堤防にはナツズイセンやワラビの群落、河原ではシャク(やまにんじん)が増えました。10年ほど前にはなかったことです。これから河川敷で山菜採りが楽しめそうです。ノビルやハマダイコン(河原大根)は一昨年の豪雨でかなりの群落が消失しましたが、少しずつ回復しているようです。
 自然の移ろいは必定です。しかし、それが昨今各地で問題となっている「異常気象」による過酷なものでは困ります。「異常」が通年となり、「普通」に変わらないでほしいものです。

富山市ファミリーパーク 名誉園長/元日本動物園水族館協会 会長山本茂行

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