- 日替わりコラム
Tue
2/4
2025
海の中にも「へび」が住んでいるのをご存じでしょうか。ウミヘビには爬虫類と魚類の2種類がおり、爬虫類のウミヘビは、大昔に陸上のヘビが進化し海洋環境に適応したもので、姿形はほとんど陸上のヘビと同じ。エラがなく肺呼吸のままなので、ときどき水面に上がって息をします。海中では十数分くらいは息が続くようです。爬虫類のウミヘビの多くはコブラ以上の猛毒を持っているため、咬まれないよう注意が必要です。海中で出会うとどきっとしますが、性格は全般に穏やかで、こちらから手を出さない限り、自ら人を襲うようなことはありません。人と出会っても警戒して逃げることはなく、全身が褐色のエラブウミヘビなどは、好奇心が強いためか逆に追いかけてくることもあります。
沖縄では黒い縞模様のあるウミヘビによく会うのですが、石の下をのぞいてエサを探しながら、時折興味深げにこちらを見るので親しみを感じていました。ある時、少し無理をして十数メートルの海底まで潜り、息が切れて脇目も振らずに急いで浮上し、水面で息を継いだその時、私の脇の下で縞模様のある細長いものが一緒に息継ぎして海底に戻っていく姿を見ました。その時、お互い大変だなあと妙に共感しました。
今年はへび年。陸上のヘビは苦手ですが、エラブウミヘビ以外のウミヘビなら平気です。
古田優
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