- 日替わりコラム
Tue
3/11
2025
セルフケアとは、「肉体的な休息」と同時に「精神的な休息」をも意味します。しかし、なぜ精神的な休息が求められているのか、不思議に思ったことはないでしょうか。
労働を、(1)「主に、肉体エネルギー、筋力を必要とする労働力の支出」を肉体労働、(2)「労働過程における脳と神経力の支出」を必要とする精神労働に分けたとき※1 、(1)、(2)どちらかの側面しかない仕事は存在しないのですが、「労働」と聞くと「肉体労働」をイメージしてしまいがちです。日本には古来から、「精神を鍛えるためには肉体を痛めつける」という発想があり※2 、長時間労働はまさにこの発想からくるものです。
精神的な疲れは、肉体疲労とは異なり目に見えないため、本人であっても気づくことが難しい場合があります。だからこそ、・自分は疲れていないと思っても、仕事以外の時間を作ること・他者と話す時間を作ることで、客観的に自分を見てもらうことが重要です。そうすると、利害関係のない友人や家族といった、職場外の時間を増やしていくこともセルフケアにつながってきます。
自分の「疲れの元」が肉体的か精神的かを分析し、「なぜ?」という原因論ではなく、「何があれば?」という問いを自分に投げかけることが状況を改善する第一歩です。
※ 1 Wörterbuch der Ökonomie Sozialismus,1960, Dietz Verlag.
※ 2 『菊と刀』ルース・ベネディクト著 角田安正訳 光文社古典新訳文庫(2008)
ILFY 代表コーチ内藤響
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