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4/9

2025

薬草に親しむ(4)オタネニンジン

 東京都薬用植物園で栽培しているオタネニンジンを紹介します。
 オタネニンジンは高麗人参や朝鮮人参と呼ばれ、原産地は中国や朝鮮半島です。江戸時代に日光の薬草園で国内栽培に成功して、将軍が各藩に種子を配ったことから「御種人参」と名付けられたといわれています。5月に淡緑色の小さな花が咲き、7月には赤色のきれいな果実が見られます。薬用部位は根で、細根を除いた根を「人参(ニンジン)」、根を蒸したものを「紅参(コウジン)」といい、滋養強壮保健薬などの漢方処方に用いられています。「ニンジン」は淡黄褐色~淡灰褐色で、「コウジン」は淡黄褐色~赤褐色です。オレンジ色の野菜のニンジンはセリ科、オタネニンジンはウコギ科で異なります。ちなみに「ニンジン」という名前は、枝分かれした根の形が人の姿を思わせることが由来といわれています。
 現在、長野県や福島県、島根県などで生産されていて、長野県は全生産量の7割以上を占めています。市場で使用されているものは、中国産と韓国産が7~8割を占めています。
 オタネニンジンは直射日光を嫌うため、東京都薬用植物園では遮光して栽培しています。栽培場所は、冷房室の前と漢方薬原料植物区のカキノキの下で、前回紹介したムラサキの隣です。

東京都薬用植物園 主任研究員中村耕

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