イカリホールディングス株式会社 よりそい、つよく、ささえる。/環文研(Kanbunken)

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2025

ネズミのフェロモン

 フェロモンは、生物が体外に分泌し、同種の他個体に微量で作用する化学物質のことです。フェロモンは昆虫類などのさまざまな交信に利用されています。たとえば性フェロモンは、成熟して交尾が可能なことを他の個体に知らせる、またそれを追って異性を探し当てるために使われます。アリの行列は、餌の在り処など目的地から巣までの道のりを示す道標(みちしるべ)フェロモンにより作られます。仲間を集合させる集合フェロモンは、ゴキブリやトコジラミなどの集団を形成させます。警報フェロモンは、スズメバチの攻撃に見られるように、外敵の存在を仲間の個体に知らせ、攻撃をしかけるようにします。
 そして、ネズミにもいくつかのフェロモンが知られています。東京大学大学院の清川泰志准教授らによる研究グループは、2023年、実験用ラットや野生ドブネズミから放出される安寧フェロモンを発見しました※ 。このフェロモンを嗅いだラットは、以前に嫌悪刺激と関連づけられた音に対して恐怖反応を示さなくなりました。また、ドブネズミは馴染みのない物体を避ける新奇性恐怖を示しますが、その成分を嗅いだドブネズミではこの新奇性恐怖が減弱することが確認されました。このようなフェロモンを利用することで、効率的なネズミ駆除が行えるようになると考えられます。

※ https://www.a.u-tokyo.ac.jp/topics/topics_20230621-1.html

イカリ消毒株式会社 名誉技術顧問谷川力

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