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Wed

5/14

2025

サボテンによる土壌環境の浄化

 植物の根は、土壌から水とともに多くのミネラル成分(重金属)も吸収しています。しかし、これらの成分が植物体に過剰に蓄積してしまうと、植物の生育は悪くなり、枯れてしまうこともあります。このような過剰なミネラル成分によるストレスを「重金属ストレス」と呼びます。筆者らの研究により、ある種のウチワサボテンは非常に強い重金属ストレス耐性を持つことが明らかとなりました。たとえば、このサボテンは日本の環境基準の1000倍を超える濃度の鉛やカドミウムを含む土壌でも栽培が可能でした。さらに、このサボテンは亜鉛、鉄、カドミウムなどの重金属を非常に高い濃度で体内に保持でき、重金属の蓄積能力が高い植物である「超集積植物」に該当することも明らかとなりました。
 私たちはこのサボテンの性質を利用し、サボテンを環境修復技術に使えないかと考えています。「植物の機能を利用して環境修復および汚染浄化を行う技術」のことをファイトレメディエーションと呼びます。具体的には、植物体内に重金属などの環境汚染物質を吸収、そして蓄積させ、植物体を除去することで環境を浄化する手法がもっとも一般的です。サボテンは高温や乾燥にも強いため、乾燥地でのファイトレメディエーションに活用できると思われます。

中部大学 応用生物学部堀部貴紀

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