イカリホールディングス株式会社 よりそい、つよく、ささえる。/環文研(Kanbunken)

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2025

半径2kmで栄養の循環をつくる(6)父の余命宣告

 大阪での初めての子育てと菜園活動が徐々に軌道に乗り始め、友人と楽しんでいた頃、父が肝臓がんと診断されました。余命は3か月。私の親友であり最大の理解者で、どんなときも私の味方でいてくれた父。その父があと3か月でいなくなる。「置いていかないでほしい」、「まだ一緒にやりたいことがたくさんある」——そんな言葉が頭の中をぐるぐると巡りました。
 0歳児を抱え帰省、訪問した病室に横たわる父がとても小さく見えました。繰り返される検査。最初の1か月でみるみる体調が悪化し、「父に負担がかかるから検査ばかりしないでほしい」と担当医師に懇願しに行ったこともありました。そして、ただ時間が経過する無力感と焦りから、がんに効果があるといわれるものを買い漁りました。
 そんなある日、かつて栄養学をともに学んだ大学時代の同級生が「間に合わないかもしれないけど」と、『土からの医療※ 』という一冊の本を届けてくれました。残りの2か月、ここに書かれてある食養生で人の体がどこまで変わるのかに不安を覚えながらも、漠然と取り組む価値があると感じていました。そして父も私の提案を受け止め、覚悟をもって自宅に帰ることを決断。この日から、私たちの命をかけた食への挑戦が始まりました。

※ 『土からの医療―医・食・農の結合を求めて』竹熊宜孝著 地湧社(1983)

ローカルフードサイクリング株式会社 代表たいら由以子

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