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Wed

6/4

2025

猫の放し飼いが定着したのは江戸時代

 日本に移入された猫たちは、江戸時代に入るまで紐でつないで室内で飼うのが一般的でした。1602年、京都の辻(大通り)に「猫をつないではならない」という御奉行からのお札が立ったという記録が残っています。正確な背景は不明ですが、当時ネズミ被害が増え猫の活躍が期待されていたようです。猫たちは、ようやく本来の役目を果たすようになり、以後つい最近まで放し飼いが当たり前という状態が続いたのだと思います。
 平和が長く続いた江戸時代に猫の暮らし方は定着し、さまざまな諺(ことわざ)を生み出しました。「犬は人につき、猫は家につく」、「猫は死ぬとき姿を見せない」などで、猫の習性をよく表しています。いかに猫が人々の暮らしの身近なところに浸透していたかということでしょう。猫は飼われている家の周りを自分の縄張りとし、そこで狩りをして暮らしますから、家人が引っ越しても一緒に行かず、近ければ元の家に戻ってしまうことがよくあったのでしょう。また具合の悪い猫は縁の下や物置の隅などで静養し、そのまま死んでしまうこともあったはずです。そういう猫の死体を見つけたとき、人は「猫は死にに行く」と言ったのでしょう。同じようなことがアチコチで起きたから諺として残っているのだと思うと、江戸時代の人々の豊かさのようなものを感じさせられます。

動物ライター加藤由子

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