- 日替わりコラム
Wed
6/25
2025
アルゼンチンアリは、日本では「特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律(外来生物法)」に基づく「特定外来生物」に指定されています。また、生態系被害防止外来種リストの中で特に対策の緊急性が高く、積極的に防除を行う必要がある「緊急対策外来種」にも位置付けられています。
本種は一つの巣に多くの女王を有する多女王性であり、新女王はいわゆる結婚飛行を行いません。一般のアリ類では、巣が異なる同種のアリ同士での共存はありえませんが、アルゼンチンアリの女王は、分巣により巣を拡大して、働きアリを共有します。毒性はなく、咬まれても人体に直接的な影響はありません。しかし、住宅や建造物に侵入し、食品に群がったり電子機器に不具合を生じさせたりするなど、日常生活に不快感や障害をもたらします。農業害虫であるアブラムシ類、カイガラムシ類などが分泌する甘露を好むため、共生し病害を広げることも知られています。また、繁殖能力や攻撃性が高いため、在来アリを駆逐するなど生物多様性を著しく阻害します。
当社の技術研究所では早くからアルゼンチンアリの防除技術の研究開発に取り組み、わが国で初めて民間企業による根絶に成功※ 。各地で多くの根絶成果を収めており、世界的にも高く評価されています。
※ 【防除事例】有害生物管理 特定外来⽣物「アルゼンチンアリ」の駆除⽅法https://www.ikari.co.jp/case/argentine-ant/
イカリ消毒株式会社 名誉技術顧問谷川力
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