- 日替わりコラム
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7/15
2025
長浜野口記念公園内の横浜市長浜ホールには、野口英世博士ゆかりの横浜検疫所長浜措置場旧細菌検査室および旧事務棟があります。博士が日本で仕事をした施設、かつ当時の姿を残す建物として現存する唯一のものです。博士はここに5か月間在籍し、検疫所初となるペスト患者を発見しました。その功績により師である北里柴三郎から推薦を受け、清国に国際予防委員会の一員として派遣され、国際的な活躍を果たしました。
そして、ガーナ共和国のアクラ市にも、博士が実際に研究を行っていた実験室を改装した記念館があります。博士が黄熱病に罹患して51歳で殉職された場所です。記念館の向かい側には博士の銅像が立つ日本庭園があります。そして1979年、日本のODA※1 によりガーナ大学付属の感染症対策研究施設として野口記念医学研究所が設立されました。しかし、施設の老朽化や高度化した感染症課題に対応するため、先端感染症研究センターを新たに建設。2019年に開所しました。BSL3の実験室が整備され、感染症の早期発見や早期封じ込めを目指しています。完成前に、古い施設自体がバイオセーフティの視点からどの程度適切に運用されているかを調査するために、JICAのプロジェクトで、BMSA※2 から堀内と前川が参加しました。新しくできる施設のためのスタッフのスキルアップも目的の1つでした。
※1 「開発途上地域の開発を主たる目的とする政府及び政府関係機関による国際協力活動」のための公的資金
※2 NPO法人バイオメディカルサイエンス研究会
NPO法人 バイオメディカルサイエンス研究会 常任理事前川秀彰
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