- 日替わりコラム
Fri
8/8
2025
食物アレルギーに関わる仕事を続けていると「時代とともにポピュラーなアレルゲンが変化している」ことに気づきます。私たちのような市民団体でも患者統計を取り続けていますが、30~10年前くらいまではその変化が穏やかでした。最近は変化のスピードが速くなっていると感じます。その変化スピードに連動して、患者さんの健康危害の発生を防ぐために表示義務となる特定原材料も、変化を余儀なくされています。外食産業や加工食品のトレンドによって私たちの食卓は目まぐるしく変化していますが、その「食卓の変化」こそが「患者の発症原因となる食品のトレンド」と深く関わっているのです。
食物アレルギーはタンパク質に対する生体防御反応であるため、タンパク質であれば何にでも反応する可能性があります。しかし実際は、国によって、あるいは時代によってアレルゲンとなる食品のトレンドがあるのですから、「なんらかの法則」があるはずです。食べる頻度や食べ方も消化吸収に影響を与えますが、加工品から、あるいはハウスダストとして生活環境中に存在する量(吸入や接触する機会)なども、人の体に影響を与えます。人とタンパク質と免疫の関係は誰にも制御できないものですが、安全管理が責務である食品企業にとって、アレルゲンコントロールは厄介な課題だと思います。そのお仕事にいつも感謝しています。
認定NPO法人 アトピッ子地球の子ネットワーク赤城智美
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