イカリホールディングス株式会社 よりそい、つよく、ささえる。/環文研(Kanbunken)

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2025

地域農業の未来を拓く(3)

 後継者問題はどの業界でも話題になっています。企業の場合、後継者がいなければその会社の従業員の雇用や生活に影響を及ぼす可能性があります。しかし、農業の場合「後継者問題はその農家の問題ではない」ということをご理解いただけるでしょうか。
 既述のように、今多くの農家は70歳前後で、儲からないが先祖から預かった農地を自分の代で荒らしたくない、万が一のときでも自分の家族や親戚にはひもじい思いをさせたくないなどの理由で米を作り続けてきました。しかし、子どもや孫には自分と同じ苦労をさせたくないと思っています。農家にとって後継者がいないことは長年の苦労からようやく解放されることなので、問題ではないのです。
 では誰にとって問題なのかというと、農地が荒れていく「地域」や生産手段を持たない「消費者」にとっての問題だと思うのですが、多くの人はこの危機を自分の問題だと捉えていません。スマート農業も期待はされているものの、中山間地域で使える技術はまだないに等しい状態です。私はこの現況を「サイレント百姓一揆」と名付けています。高齢化で農業を続けられなくなる人が激増し、昨今の米騒動を上回る勢いで米も野菜もお店にない……その静かな百姓一揆があと5年ほどで完成するのです。

一般社団法人 南阿蘇村農業みらい公社 事務局長山戸陸也

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