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2025

薬草に親しむ(6)チョウセンアサガオ類

 東京都薬用植物園で栽培しているチョウセンアサガオ類を2つ紹介します。(1)ケチョウセンアサガオの原産地はアメリカです。一年草または多年草で、7月下旬から9月上旬に白色で上向きの花が見られ、夕方に開花します。果実は下向きで、多数のトゲに覆われています。(2)キダチチョウセンアサガオの原産地は中南米です。9月下旬から11月下旬に、白、黄色、淡紅色などの漏斗型の花を下向きにつけます。別名はエンジェルス・トランペットといいます。高木または低木です。
 どちらも生薬名はダツラ(マンダラヨウ)といい、薬用部位は葉です。また、種子の生薬名はダツラシ(マンダラシ)といい、アトロピン硫酸塩(鎮痛、鎮痙薬)などの製造原料として用いられていました。
 江戸時代の外科医である華岡青洲は、チョウセンアサガオを主成分とした麻酔薬を作り、世界初の全身麻酔手術に成功しました。チョウセンアサガオ類の成分のヒヨスチアミンやスコポラミンなどのトロパンアルカロイドは、一般に副交感神経抑制作用、中枢神経興奮作用を示します。そのため、摂食した場合、口渇、瞳孔散大、意識混濁などを引き起こします。トロパンアルカロイドは、全草(植物全体)に存在しています。種子はゴマ、つぼみはオクラの果実、根はゴボウにそれぞれ似ているため、誤って食べて食中毒にならないように注意が必要です。

東京都薬用植物園 主任研究員中村耕

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