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9/17

2025

常同行動ではなかった?ネズミの行動に見る“遊び心”

 実験室にて、ネズミの飼育ケージに回し車を入れると、ネズミはそれに乗って走ることが知られています。従来、この回し車での運動は「飼育下のストレスによる異常行動(常同行動)」と考えられてきました。しかし、オランダの研究者たちはこの考えに異を唱え、野生のマウスが自然環境でも回し車を使うかどうかを調べました※ 。つまり、この考えが正しければ、野生のマウスは回し車を使うことはないはずです。
 オランダの都市部にある緑地と、人が立ち入れない砂丘地にそれぞれ回し車を設置し、3年以上にわたり観察しました。その結果、野生のマウスは自発的に回し車を使うことが判明し、最大18分間走ることもありました。しかも、餌がない状態でも走る行動は継続され、むしろ訪問回数に対する走行率は増加しました。これは、餌を目的として回し車を訪れているのではなく、自発的に運動するために回し車を訪ねてきていることを示唆しています。以上のことから、回し車での運動は「常同行動」ではなく、自然な選択の結果としての行動である可能性が示されました。
 この発見は、ネズミは単なる生存のためだけでなく、遊びや好奇心からも行動する可能性を示しており、彼らの行動の豊かさを垣間見ることができます。

※  Meijer JH, Robbers Y. 2014,Wheel running in the wild. Proc. R. Soc. B 281:20140210.http://dx.doi.org/10.1098/rspb.2014.0210

東京大学 大学院農学生命科学研究科 准教授清川泰志

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