イカリホールディングス株式会社 よりそい、つよく、ささえる。/環文研(Kanbunken)

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10/3

2025

地域農業の未来を拓く(4)

 阿蘇地域は「阿蘇の草原の維持と持続的農業」が評価され、2013年に世界農業遺産に認定されました。草千里や米塚などに代表される阿蘇の草原は、1000年以上前から「野焼き」を続けることで維持されてきました。草原は、役畜(えきちく)の放牧や冬の牛たちの食料となる干し草を刈る場所として維持されてきました。その牛糞堆肥を田畑に撒き、米や野菜が生産されます。また、阿蘇の草原は、野焼きによって炭化した炭が土壌中に残るため、大気中の二酸化炭素を吸収する効果があることや、森林以上の地下水涵養(かんよう)効果があることがわかってきました。
 今、肥料や農薬など多くの資材は外国からの輸入に依存していますが、南阿蘇村は、資源循環型農業を推進しています。地球環境への負荷を減らし不測の事態に備えるためにも、輸入した化学肥料に依存するのではなく、身近なところで手に入る有機物を活用し、農薬の使用量をできるだけ抑えた農産物栽培を進めています。
 幸い南阿蘇村は、標高が400~500mの高冷地であるため害虫の発生が少なく、米の栽培における農薬の使用量は平たん地の半分以下です。120haほどの栽培面積があるソバも、昔から受け継がれてきた在来種を大切に守り、ブランド化を目指しています。その結果、味や香りが評価され「おいしいそば産地大賞2024」で6位に入賞しました。

一般社団法人 南阿蘇村農業みらい公社 事務局長山戸陸也

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