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10/14
2025
加齢に伴い耳が聞こえにくくなることを、「老人性難聴」といいます。老人性難聴を自覚する時期には個人差があり、早い人では50歳くらいから耳が遠くなったと感じますが、70歳、80歳になっても聴力低下が気にならない人もいます。
老人性難聴の特徴は、低音域よりも高音域から聴力の低下が始まることです。最初は日常会話に特に不便は感じませんが、じきに女性の声や子音が聞こえにくくなります。人間の耳は騒がしい場所でも会話している相手の声を選別して聞く選択的注意という能力を持っていますが、この力も低下してきます。聴力と選択的注意が低下する結果、聞き返すことが多くなります。残念ながら、老人性難聴には根本的な治療法はありません。ただ最近は性能の良い補聴器も開発されていますので、耳鼻咽喉科を受診して、ほかに耳の病気がないかどうかを確認した上で、自身の耳に合った補聴器を調整してもらうとよいでしょう。
耳の神経はデリケートなので、長期間にわたり大きな音にさらされていると老人性難聴が早く始まるといわれています。若い頃から耳は大切にしたいものです。また、耳への血液循環が悪い場合も老人性難聴が進むと考えられます。糖尿病や動脈硬化などの生活習慣病を予防することも、老人性難聴の予防や悪化防止につながると思われます。
クリンネス編集室
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