イカリホールディングス株式会社 よりそい、つよく、ささえる。/環文研(Kanbunken)

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2025

子どもたちの笑顔のために我々大人にできること(5)なぜこども食堂が日本全国に広がるのか

 2024年12月時点で、こども食堂の総数は1万箇所を超えました。近所の子どもたちに無料や低額で食事を提供する人や場所は、それ以前にもあったと思いますが、始まりは2012年「こども食堂」と名付けた東京都大田区の八百屋「だんだん」であるとされています。その「こども食堂」という名前に惹かれ、地元でこども食堂の立ち上げに関わりました。自転車で集まる地域活動に初めて参加し、ご飯を作り、子どもたちの笑顔を見て、当初は「なんて自己満足な活動だろうか」と思いました。しかし、そこで得られる充足感や癒しは何にも代え難く、自分に欠落していた経験や思いを実現する場所となっていきました。
 2018年、東京の原発避難親子の居場所としてこども食堂を始めることになりました。それ以降は地域に開かれた場所となり、支援者が次々と現れ、支えられる活動に変わっていきました。応援してくださる方は子どもが好きで、子どもを差別しないことがわかりました。社会的にも「貧困の子どもが行くところ」というイメージは徐々に払拭(ふっしょく)され、コミュニティづくり、誰もがいてよい居場所、防災拠点とさまざまな形態になってきています。その原点は、子どもにご飯を食べさせたい、守りたい、という母性(父性)本能であり、誰にでもできること。そして、非常時や社会不安の中では、共助の活動であると考えています。

NPO法人 こどもプロジェクト 代表福田恵美

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