- 日替わりコラム
Fri
10/24
2025
人類は時として、目先の利益にとらわれ、長期的には愚かともいえる行動をとってしまうことがあります。
近年、「環境ホルモン※1 」という言葉を耳にする機会は減りましたが、決して問題が解決したわけではありません。たとえば、プラスチックの可塑剤として使用される化学物質の影響です。プラスチックも人体も同じ有機物であることを考えると、プラスチックの性質を変える物質が人体にも影響を及ぼすことは、想像力を働かせれば予見できたはずです。地球温暖化や、日本の林業政策と花粉症問題、さらには減反政策と米不足など、こうした「想像力の欠如」が、多くの社会問題を引き起こしているのではないでしょうか。
この「想像力」の重要性について、江崎玲於奈※2 氏は「これからの時代に求められるのはウィズダム※3 (知恵)だ」と述べています。知恵とは、知識や技術、経験を組み合わせて活用する力であり、単に教わるだけでは身につかず、自らつかみ取るものです。そして、その知恵を生かすためには想像力が欠かせません。
教育によって身につけた知識や技術、経験を土台に、少し先の未来を思い描く想像力を働かせ、知恵をもって問題を先取りし、回避・解決していくことが、これからの社会には求められているのです。
※ 1 外因性内分泌かく乱物質
※ 2 1973年、半導体におけるトンネル効果を証明し「エサキダイオード」の発明によりノーベル物理学賞を受賞
※ 3 分別、賢明さなどの意
商品開発アドバイザーH・B 山越
全部または一部を無断で複写複製することは、著作権法上での例外を除き、禁じられています
- アクセス