- 日替わりコラム
Tue
11/25
2025
今回は「膝」のお話です。
「もっと膝を使いましょう」「膝に負担をかけないように太ももを鍛えてください」……そんなアドバイスを聞いたことがある人も多いかと思います。けれど、この言葉に違和感を覚えることがあります。なぜなら、膝は「使う」場所ではなく、「ついてくる」場所だからです。また、太ももを鍛えようとすることで、かえって膝を痛めることがあります。
本来、股関節や足首がスムーズに動いていれば、膝はその流れの中で自然に動いてくれるもの。膝を意識すればするほど、むしろ不調の原因になることもあるのです。
たとえば歩くとき。膝を使って足を上げていませんか。多くの人が、この「大間違い」をしています。股関節を折りたたむように意識するだけで、足は上がります。そして、膝は無理なく、安全な位置で動いてくれます。
体は、中心から動かすことで外側が整う——膝はその「流れ」の中で、やさしく働く存在。「使う」から「ついてくる」へ。その感覚を育てていくことで、体全体の調和がより深まっていきます。間違いに気づけたとき、体との対話が始まります。その小さな気づきが、深くて静かな変化の扉になるのです。
『1日1分で身体が整う首のセルフケア』著者/整体師能瀬千恵
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