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2025

三浦半島の自然と歴史(46)半島の北側開発

 京浜東北・根岸線は昨年、開業110周年を迎えました。新杉田駅から大きく西へカーブを描き、ベッドタウンとして開設された洋光台駅、港南台駅、本郷台駅を経て、大船へと三浦半島の北側を横切るように進みます※1 (1973年までに延伸)。本郷台駅ができる以前、この一帯には第一海軍燃料廠(しょう)があり、海からの艦砲射撃を避けるため内陸に配置されていました。大船駅からは引き込み線も延びていましたが、現在は道路となっています。「台」の付く3駅はいずれも、駅前にマンションが並び、その奥に戸建て住宅が広がります。中でも港南台駅は乗降客が約2万8000人と、他の2駅よりも1万人多いそうです。周辺の8区画の団地にはすべて鳥の名前が付けられ※2 、隣接する商業施設も「港南台バーズ」と名付けられ、鳥にちなんだ名称が目立ちます。もともと里山であった土地柄に由来するのかもしれません。なお分譲当時、公団の一戸建てには9000万円の物件もあったといいます※3 。
 また、この沿線には、横浜市磯子区出身の美空ひばりが初舞台を踏んだ杉田劇場もあり、現在はJR新杉田駅前の「らびすた新杉田」内に移転しています。新杉田駅は京急杉田駅と「ぷらむろーど杉田商店街」で結ばれており、多くの人が乗り換えに利用します。かつて杉田駅には東急ストアがありましたが、現在は京急ストアに変わっています。

※1  『地図で読み解くJR京浜東北・根岸線沿線』岡田直編著、栗原景著 三才ブックス(2022)
※2  団地名は、ひばり、うぐいす、めじろ、せきれい、つぐみ、おおるり(山鳥の名前が分譲タイプ)、
   かもめ、ちどり(海鳥の名前が賃貸タイプ)となっている
※3  『降りて、見て、歩いて、調べた京浜東北・根岸線47 駅』鼠入昌史著 イカロス出版(2024)

NPO法人 バイオメディカルサイエンス研究会 常任理事前川秀彰

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