- 日替わりコラム
Wed
2/18
2026
西南諸島ではかつて、ハブによる咬傷被害で多くの人が亡くなった時代がありました。そこで「ハブの天敵になるのではないか」と期待され、マングースが放たれました。この発想の背景には、マングースがコブラと戦い、巧みに攻撃をかわして勝つという見世物が存在していたことがあります。そのイメージから、ハブを退治してくれるだろうと考えられたのです。
実際に、マングースが1910年に沖縄島、1979年には奄美大島に放たれた記録が残っています。しかしその結果、期待とは裏腹に、マングースはハブをほとんど捕食しませんでした。はっきりとした理由はわかりませんが、ハブが夜行性で、マングースが昼行性という生活リズムの違いや、ハブよりも捕まえやすい希少生物が多くいたことなど、生態上の要因が大きかったとされています。その結果、アマミノクロウサギやヤンバルクイナといった固有種が次々と捕食され、個体数は急激に減少してしまいました。現在では、逆に増えすぎたマングースを減らすための対策が進められています。
同様の失敗例として、ネズミの駆除を目的に伊豆諸島や宮古島でイタチを放した事例もあります。しかしこちらも、イタチが希少生物を捕食してしまい、生態系への深刻な影響を招く結果となりました。
※諸説あり
イカリ消毒株式会社 名誉技術顧問谷川力
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