- 日替わりコラム
Fri
4/3
2026
知らない人の目をジッと見るのは、敵意の表れやケンカを売る行動と受け取られますが、これは猫の世界でも同じです。そのため、ノラ猫を保護するときに「怖くないよ、大丈夫よ」と猫の目をジッと見つめながら近寄っていくのは、猫にとって恐怖であるはず。「にらまれた」と感じた猫は怖くて固まって動けなくなるか、破れかぶれの攻撃に出てしまうかのどちらかでしょう。
一方で、親しい者同士が見つめ合うのは愛情交換である点も、人と猫とは共通です。自分の猫を抱いて見つめ合うときの幸せな気持ちを、猫も同じように感じていると思って間違いありません。さらにその愛情のまなざしが突然、敵意の視線に変わったとしても、その意味を猫はきちんと理解します。ただし、本気で強い視線を送った場合に限ります。
いつも猫が机の上に乗っているのが当たり前の生活の中で、どうしても猫に乗って欲しくないスペースがあったときのことです。何度制しても無視するので、真剣な表情でうなりながら猫を睨んだことがありました。すると私を見ていた猫が視線を横にそらしたのです。その視線を追いかけてまた睨むと、猫は再び視線をそらし、さらに追いかけると、猫は目を閉じてしまいました。以後、猫がそのスペースに乗ることはなく、本気の視線がものを言ったと自負しています。
動物ライター加藤由子
全部または一部を無断で複写複製することは、著作権法上での例外を除き、禁じられています
- アクセス