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4/17
2026
イエネズミであるドブネズミ、クマネズミ、ハツカネズミは、同じ場所には共存しないことが経験的に知られています。その理由を示唆する研究が、イタリア中部の野外で行われました※ 。
ドブネズミ、クマネズミ、ハツカネズミの計78個体の胃の内容物を調べたところ、3種はいずれも植物(種子や果実)を主食としていたことがわかりました。
しかし一方で、ネズミ同士で捕食していることも確認されました。サンプルとして用いたドブネズミたちの胃の内容物を種類別に集計したところ、約20%がクマネズミ由来のもの、約15%がハツカネズミ由来のものでした。同様に、サンプルとして用いたクマネズミたちの胃の内容物の約20%はハツカネズミ由来のものでした。一方でハツカネズミたちの胃の内容物には、ドブネズミやクマネズミ由来のものは見当たりませんでした。
以上の結果から、ドブネズミはクマネズミやハツカネズミを、クマネズミはハツカネズミを捕食することが示唆されました。つまり、3種のネズミは「喰う・喰われる」という関係にあるため、クマネズミはドブネズミを、ハツカネズミはドブネズミとクマネズミを避けて生活していると考えられます。
※ E. Mori, et al., Alien war: ectoparasite load, diet and temporal niche partitioning in a multi-species assembly of small rodents,
Biological Invasions, 21(1), 3305-3318(2019)
DOI:10.1007/s10530-019-02048-z
東京大学 大学院農学生命科学研究科 准教授清川泰志
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