- 日替わりコラム
Thu
4/23
2026
昨年、視覚障害者の団体からの依頼を受け、害虫獣の防除方法について講演を行いました。その際、視覚障害者の方が害虫獣に関して抱える悩みについて、初めて知ることが多くありました。そして、日常生活の中で多くの不安や困難を抱えている現状を実感しました。
たとえば、視覚障害者の方は転倒によるケガで入院することがあり、それに伴い住まいが無人となることで、ネズミやゴキブリが増え放題になってしまうケースがあります。退院後も、糞や汚れを見分けることが難しく、誤ってそれらを口にしてしまう危険性もあるそうです。また、正体のわからない物音は、不安をさらに増大させます。さらに、触ったものがムカデであったため、かまれて痛い思いをした体験もあると聞きました。花の栽培を楽しむ方が、羽音だけでハチではないかと強い恐怖を感じることもあるそうです。エアゾール式殺虫剤についても、噴霧方向がわからず、誤って顔に向けて噴射してしまったなど、安全に使用すること自体が難しい現実があります。
現状で可能な対策は、清掃や整理整頓といった基本的な環境管理に限られ、薬剤の使用も容易ではありません。ヘルパーによる支援にも限界があり、早急に行政を中心とした支援体制の整備が必要であると、強く感じました。
イカリ消毒株式会社 名誉技術顧問谷川力
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