- 日替わりコラム
Mon
6/1
2026
最愛の人を亡くした時、私たちの心は、言葉では表せないほどの深い悲しみや苦しみを受けずにはいられません。どのような人であっても、「人生の終焉を迎えない人はいない」という事実を、頭で理解することはできても、そう簡単に受け入れることができないのが、私たち人間の「心」というものです。
悲しみや苦しみに打ちひしがれてしまう時、私たちの心は、失くしてしまったものばかりを見ようとし、無いものばかりを数えようとしてしまいます。悲しみや寂しさに向き合うことは、決して悪いことではありません。ただ、それが「すべて」ではないということだけは、忘れないでいただきたいのです。
星の数ほどの「いのち」があって、この世に人として生を受けることができた奇跡。この広い世界で、最愛の人とめぐり逢い結ばれることができた奇跡。大変なことも嬉しいことも経験しながら、共に泣き笑い、人生という一つの道を歩んでくることができた奇跡。
その一つ一つの奇跡は、どれもが貴く、失くしてしまったもの以上に、共に培い、得てきたものの数の方が格段に多くあるはずです。そのことに気づけた時、人は、最も「大切なもの」を見出すことができるのだと思います。「幸せ」を知る人は、きっとそういう人なのでしょう。
合掌
下野国 舎那殿壇 龍興寺 副住職阿波建多
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