- 日替わりコラム
Tue
6/2
2026
製造者や販売店に異物混入の苦情品が届けられたときに、まず行うべきは異物の鑑定・同定です。混入した異物の正体を明らかにすることは、誤飲・誤食時の危害性を評価する上で不可欠であり、最優先で取り組むべき工程です。
異物の正体が判明した段階で、いったん調査結果を報告書にまとめます。その後、被害者や販売店を訪問し、異物の内容や想定される混入経路、今後の改善策について説明するとともに、謝罪を行います。それにより相手の理解が得られ、多くの場合、事案は収束します。しかし、果たしてそれで十分といえるでしょうか。提示した混入経路に誤りはないのか、再発を防ぐために本当に必要な対策は何か——これらを十分に検証しなければ、リスクは残存したままとなり、同様の事故を繰り返す可能性があります。
そもそも、被害者や販売店への説明や謝罪は、異物混入対策ではなく、ごく当たり前の顧客対応に過ぎません。対策としての本質は、原因の特定と、それに基づく再発防止対策の確立です。そこを疎かにすると、対策はきわめて表面的で実効性を欠くものとなるでしょう。「今後は十分注意します」といった抽象的な対応を繰り返すだけでは、根本的な解決には至りません。
公益社団法人 日本食品衛生協会 技術参与佐藤邦裕
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