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Thu

6/4

2026

薬草に親しむ(11)キキョウ

 今回は、東京都薬用植物園で栽培されているキキョウをご紹介します。当園では、漢方薬原料植物区やロックガーデンでその姿を見ることができます。一般的に園芸用のキキョウは背丈が低く、鉢植えで楽しまれることが多いですが、野生のキキョウは背が高く、中には1m以上になるものもあります。しかし、こうした野生種は、かつて自生していた草原の開発などにより数を減らし、現在では絶滅危惧植物に指定されています。園内の漢方薬原料植物区で栽培されているキキョウは比較的背が低いのですが、薬用として利用される品種です。
 キキョウは根が薬用部位で、生薬名も同じく「キキョウ」と呼ばれ、『日本薬局方』にも収載されています。去痰や排膿を目的とした漢方処方に用いられ、日本では北海道や長野、新潟、富山などが産地として知られていますが、現在流通している多くは韓国などからの輸入品です。
 花は7月頃から咲きはじめ、青紫色の星形の美しい姿を見せてくれます。この特徴的な形は桔梗紋として家紋にも用いられてきました。また、五芒星にも似ていることから、魔除けの効果があると信じられ、陰陽師・安倍晴明の紋として用いられたとも伝えられています。なお、つぼみがふくらんだ様子が風船のように見えることから、英語では「バルーンフラワー」と呼ばれています。

東京都薬用植物園 主任研究員中村耕

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