- 日替わりコラム
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6/8
2026
生物の名前(学名)を見ていると、不思議な名前に遭遇することがあります。たとえば、昆虫には、ハエ目、チョウ目(ガ目ともいう)、ハチ目などがあります。これらは以前、双翅(そうし)目、鱗翅目、膜翅目と呼ばれていました。双翅目は翅(はね)が2枚ある昆虫、鱗翅目は翅に鱗粉が付いている、膜翅目は翅が膜状、と形態上の特徴をよく表していると思っていましたが、現在はよりイメージしやすい身近な生物の名前になっています。たとえば、身近な愛玩動物であるイヌとネコはどちらも食肉目Carnivoraに分類されますが、まったく別の動物であることは誰もが知っています。食肉目はイヌ型亜目とネコ型亜目に分かれ、イヌ型亜目にイタチやアザラシ、クマなどが分類されます。一方、ネコ型亜目にはネコやハイエナ、マングースなどが入ります。
1988年に文部省(当時)が編集した『学術用語集 動物学編』の中で、Carnivora(肉を食べる動物)の代表種としてネコが採用されたことから、食肉目をネコ目と表記している教科書があります。イヌがネコ目に分類されると、まるでイヌの祖先がネコだったような気がしませんか。また、半翅目(カメムシ目)は前翅が半分だけ鞘のように硬いのが名前の由来ですが、カメムシ亜目以外の種は当てはまらないことも多く、代表種をカメムシにしたのは不思議な気がします。
東京大学 大学院 農学生命科学研究科澤邉京子
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