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7/22

2026

クルーズ船でのハンタウイルス感染事例

 5月、南大西洋上を航行中のオランダ船籍のクルーズ船内においてハンタウイルスが発生したことがWHOに報告されました。
 ハンタウイルス感染症のうちハンタウイルス肺症候群(HPS)は、腎症状を伴わずに呼吸困難と肺水腫を呈し、約50%が死亡するという重篤な急性呼吸器感染症です。1993年、アメリカ南西部で肺水腫を伴う急性の呼吸困難による死亡例が複数報告されたことで、初めて問題視されました。さらに1995年以降は、南米各地からも次々と発生が報告されています。ハンタウイルスの特徴は齧歯(げっし)類媒介性であることです。主な感染経路は、糞や尿などの排泄物に含まれるウイルスをエアロゾルとして吸い込むことによるもの。また、ネズミの咬傷やネズミに触れたものを介して、鼻や目、口にウイルスが接触することでも感染します。近年の研究では、ヒトからヒトへの感染例も報告されるようになりました。ただし、一部のウイルス種を除きハンタウイルスのヒト—ヒト感染は報告されておらず、日本のイエネズミからはハンタウイルスの一種である腎症候性出血熱(HFRS)が見つかることがありますが、重症化することは稀です。
 国際移動が容易な現代においては、致死率の高い感染症に対し、今後も専門知識を持つ検疫官による細かな監視と調査が欠かせません。

イカリ消毒株式会社 名誉技術顧問谷川力

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