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9/16
2026
ヒトの製造したプラスチックが粉砕され環境中に放出されたマイクロプラスチック(MP)は、水中や土壌中で生物に取り込まれ、消化管に蓄積して物理的な障害や組織損傷を引き起こす可能性があります。免疫機能の低下や解毒酵素の活性低下など、生理機能の攪乱(かくらん)も報告されています。また、MPは表面に有害化学物質や微生物を吸着し、それらが生物の体内へ運ばれることで毒性の影響が強まることも指摘されています。結果的に、病原体や環境ストレスへの耐性が弱まり、生態系全体に影響を及ぼす可能性があると考えられています。
昆虫への影響はどうでしょうか。MPがネッタイシマカの幼虫に与える影響について調べた研究が報告されています※ 。ポリプロピレン、ポリスチレン、高密度ポリエチレンの微粒子をMPとして低い濃度で与えた結果、生存率には影響が見られませんでしたが、免疫系や解毒系酵素に顕著な変化が認められました。たとえば、免疫応答や解毒酵素活性に変化が認められました。また、MPが腸内に蓄積して物理的障害や微小損傷を引き起こし、腸内微生物叢の変化や代謝機能の攪乱をもたらす可能性も示唆されました。したがって、MPは直接的な致死影響を示さなくても、昆虫の免疫機能や解毒能力を低下させ、病原体や殺虫剤への感受性に影響を及ぼすと考えられます。
※ Polenogova et al. (2024) Physiological Entomology DOI:10.1111/phen.12474
元農林水産省 蚕糸・昆虫農業技術研究所 研究室長田中誠二
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