- 日替わりコラム
Wed
9/23
2026
わが国には、北海道に生息するヒグマと、本州以南に生息するツキノワグマの2種類のクマがいます。クマはぬいぐるみやマスコットのイメージから親しみを持たれ、一昔前は住宅地に現れたクマを殺処分することに多くの苦情が寄せられていました。
しかし近年は、クマによる人的被害が相次いでいます。市街地と奥山、その間の緩衝地帯が適切に保たれていれば、クマが市街地へ出没する危険は抑えられるといいます。近年の出没増加の背景には、堅果類の不作や生息域の拡大、里山の管理不足、シカによる森林環境への影響、人里にある果実や生ごみなどの誘引物など、複数の要因が関係していると考えられます。また、安易な対応が問題を深刻化させたとの指摘もあります。市街地で容易に食物を得られることを学習したクマが、人を警戒しながらも出没するようになったともいわれています。
クマに限らず、野生動物の生息数を人がコントロールするのは容易ではありません。カモシカのように、地域によっては農林業被害が問題となる一方で、ライチョウのように温暖化や捕食者の増加、シカの高山帯への侵入などにより、生息環境が脅かされている生きものもいます。自然界の生きものを人間が思い通りに管理することの難しさを、私たちは改めて認識する必要があるでしょう。
イカリ消毒株式会社 名誉技術顧問谷川力
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