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10/19
2026
私たちは毎日のように商品を買っています。では、本当に買っているのは何でしょうか。「もちろん商品です」と思われるでしょう。しかし、私の専門であるデザイン心理学※ では少し違う見方をします。
たとえば、スーパーで初めて買う商品を選ぶ場面を想像してください。まだ中身は見ていませんし、味や使い心地も知りません。それでも私たちは、「おいしそう」「良さそう」「安心できそう」と感じた商品を手に取ることがあります。つまり人は、見えない中身を、見えるパッケージを手掛かりに推測しているのです。これは、お菓子でも化粧品でも医薬品でも基本的には同じです。ただし、商品によって推測する内容は異なります。お菓子なら「おいしそう」、化粧品なら「使ってみたい」、医薬品なら「安心できそう」「効きそう」といった印象が、商品を手に取るきっかけになります。つまり、パッケージの役割は、単に中身を包むことだけではないのです。まだ見えない中身の価値を伝え、消費者に”手に取る理由“を与えることも重要なのです。
デザイン心理学は、このような人間の行動や心理を科学的に解明し、それをデザインに生かす学問です。本連載では、その視点からパッケージの新しい見方をご紹介していきます。人は商品を買うとき、実はパッケージから思い描く”中身への期待“も一緒に買っているのです。
※ 『よくわかるデザイン心理学——人間の行動・心理を考慮した一歩進んだデザインへのヒント』日比野治雄監修 日刊工業新聞社(2020年)
千葉大学名誉教授/(株)BBSTONEデザイン心理学研究所 技術顧問日比野治雄
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