Kanbunken 環境文化創造研究所

COLUMN

- コラム

弊所発行の「月刊クリンネス」に掲載された
過去の連載コラムの中から、
テーマ別に選りすぐりの記事をご紹介します。
(執筆者や本文の情報は執筆時のものです)

片づけられる子どもに育てる(2)

整理収納アドバイザー一級認定講師 長野ゆか

「祖父母の買い与え」と上手につきあう

 子どもに片づけを教える講座を受講される保護者の多くは、「ひとつのものを本当に大切に使うことの意味を教えていきたい」とおっしゃいます。その際、同時に話題になるのが「祖父母が買い与えすぎる」ということです。好意でしてくれているので断りにくく、義理の親であれば一層伝えにくいのが悩みのようです。また、「子どもも、そんなに欲しそうではない」というのもよくあるケースです。
 このような場合には、親御さんからではなくお子さんから伝えてもらいましょう。祖父母からものを買ってもらっているのはお子さんですから、自分で自分の気持ちを伝えることが大事です。「気持ちは嬉しいけれど、もうおもちゃでは遊ばない」、もしくは「ほかにもっと欲しいものがあるから、リクエストを聞いてほしい」と話してみてはいかがでしょう。
 そして、ものではない映画のチケットや、体験型サービス、祖父母と一緒に過ごす時間などに変えてもらうのもお勧めです。記念日のプレゼントを、「毎年、祖父母と子どもだけでの食事」に変更した方や、子ども向けの新聞の年間購読契約にした方もいます。毎週新聞が届くたびに、おばあちゃんありがとうと、お子さんが伝えるようになったそうです。
 お孫さんへの愛情からの贈りものですから”家族がお互いを思い合うきっかけ“にしていただくのが一番ではないでしょうか。
(2019年1月号掲載)

春休みに親子でやっておきたいこと

 保育園や幼稚園、学校生活で毎日あれだけ必要だったものも、新学年が始まると急に不要になり、これまでとは違う「必要なもの」が増えていきます。旧学年のものを片づけずにそのままにしていると、使うものと使わないものが入り混じり、あっという間に散らかり度が増してしまいます。そうならないためにも、春休みは片づけの大チャンスです。
 片づけ手順の大事なポイントは、「まずは持っているものを一気に全部出す」ことです。すべてのものを手にとって分けていくことで、何をどれくらい持っているのか、全体量を把握することができます。次に、「新学期以降に毎日使うもの」と「使わないもの」に分けます。古い教科書やノートは勉強の見直しには使うかもしれませんが、毎日ではないでしょう。ポイントは「必要か不要か」ではなく、新学期以降の使用頻度です。使用頻度の低いものを机の周辺から遠い場所に変更するだけでも、片づけや準備が効率よくできるようになります。
 ただし、この作業はお子さんが主となって行い、保護者はサポートに徹してください。春休みは時間があるのもメリットですが、なんといってもお子さんが新学年に向けて期待感を持っている時期です。そんなときに「自分の力で分ける、片づける」ができれば、自信をもって1年のスタートがきれるでしょう。ぜひ親子で楽しく取り組んでみてください。
(2019年3月号掲載)

親世代と祖父母のコミュニケーション

 以前、子どもに片づけやものを大切にする気持ちを教えるにあたり、「祖父母の買い与えすぎ」をどうすればよいかをお伝えしました。ものではなく、一緒に過ごすディナーや記憶に残るサービス体験型のプレゼントなどの代替案をご紹介したところ、反響をいただきました。
 実は祖父母の買い与え問題では、親世代と祖父母世代とのコミュニケーションも非常に重要です。まずは、お子さんが欲しいものや親として与えたいと思っているものを、祖父母にきちんと伝えましょう。また、「ものを大切にする気持ちを育てたいから、買い与え方に協力をしてほしい」ということも伝え、理解してもらえればよりよいですね。
 祖父母の買い方や与え方で深刻にお悩みの方は、どうしてそこまで買い与えたいのかの真意を探ってみてください。遠方に住み、頻繁に孫にものを送ってくる祖父母の真意は、「子どもや孫の声が聞きたいが、こちらから電話をするのは、忙しいだろうし気が引けるから」だったというケースがあります。到着後の「お礼の電話」のためにものを買い、送っていたのです。この場合、日常的にこちらから電話をかけるなどの積極的なコミュニケーションで送付量は減少しました。特に祖父母自身の自宅が片づいていない場合や購入行動等に疑問がある場合は、「なぜ買うのか、与えたいのか」を深く探ると新たな気づきにつながります。
(2019年5月号掲載)

元の場所に戻すのは、なぜ?

 「片づけ」とは、使ったものを元の場所に戻すという意味です。けれど、「使った後に元の場所に戻せば美しい状態を保てるのだから、片づけるのは当たり前でしょう」と子どもに言うだけで、納得して片づけをするでしょうか。子どものやる気をアップさせるために、違う角度からのアプローチをご紹介します。
 ものを使うときにすぐに取り出して使えるのは、以前に使ったときに元の場所に戻したからです。これは「準備力」そのものです。片づけは、遊んだり、勉強をしたり、何かをした後の「めんどうで嫌な作業」ではなく、「次に何かをするための準備」であり、大人になってからも大切な力になるのだと、子どもたちに伝えてみましょう。
 同じように考えると、戻すものが共有物(ティッシュ、リモコン、教室にあるもの等)である場合、元の場所に戻すことは、「次の人が使うための準備」とも考えられます。片づけ嫌いな子が、これを知ったとたんに、元の場所に戻す習慣がつき始めるのもよくあるケースです。これは、相手を思う気持ちがあるからこそ。優しい子は必ず片づけができるようになると、お伝えしている理由のひとつでもあります。
 もちろん、大人も同じです。相手のため、次の人のために使ったものは元に戻しましょう。そして、片づけている人に、ぜひ感謝を伝えてください。
(2019年7月号掲載)

「自分で決める力」

 「自分で決める力」は、お子さんにとって将来にわたり必要な力です。どんな習い事をするのかから始まり、受験、就職、結婚など、人生は大きな決断の連続だからです。親ならば誰しも、子どもには自分でしっかりと考えて後悔のない人生を歩んでほしいと願うでしょう。だからこそ「自分で決める力をどう教えればよいかわからない」というお悩みも多いのですが、実は「片づけ」を通じてこの力を育てることができます。
 片づけの基本である「整理」は、「モノの要・不要」や「頻繁に使うかあまり使わないか」などを区別する力を育てます。些細なことのように思えるかもしれませんが、「これはここに置く? 今日は使う?」などの問いに対して考えて答えを出すことも、自分で決める力のひとつです。一方、片づけが苦手なお子さんには何を聞いても「お母さんが決めて」と判断を委ねる傾向があります。片づけだけではなく、学校生活や日常生活でも、なかなか自分で決められないことが多いようです。
 決められないお子さんに共通するのは、なんでも親が決め、与え、片づけてあげているのが多いということです。親御さんは無意識にしているようですが、これではお子さんが自分で決める練習の機会を奪うことになってしまいます。毎日使うものの片づけを通して「決める力」を育てることはできますが、そのためには親の見守り力も重要です。
(2019年9月号掲載)

モチベーションを上げるほめ方

 子どもが片づけのやる気を起こす一番簡単な方法は、ほめることです。「元に戻しているなんて、すごいね」、「大人でも元に戻せない人がいるんだよ」、「次の人が使いやすいね」など、ほめる言葉はたくさんありますが、”お子さんがものを使おうとして出してきたタイミング“でほめていただくとより効果的です。
 子どもが以前に使ったものを元の場所に戻していたという行動は、ほめる対象です。ですから、「前にきちんと片づけていたから、すぐにさっと出して使えたね」、「もし元の場所に戻していなかったら、今ごろそれを探していて、まだ遊べなかったかもしれないね」と声をかけてほしいのです。使いたいものがすぐに使えるのは当たり前ではない、自分がきちんと片づけたから使えたということに気づくきっかけにもなります。片づけは面倒なだけの嫌な作業ではなく、次に何かをするときの準備になると思うことは、片づけへのモチベーションにつながります。
 たとえばお子さんが思春期に入って、親がほめるのもわざとらしいという場合もあります。そんなときは、「あ、片づけておいてくれたんだね」だけでも十分です。口に出すことで、気づいたことや好意があることがわかり、行動が肯定されていることが伝わるからです。これは夫や妻、親に対しても、さりげなく気持ちを伝えることのできる方法です。
(2019年11月号掲載)

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