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COLUMN

- コラム

「月刊クリンネス」に掲載された
過去の連載コラムの中から、
テーマ別に選りすぐりの記事をご紹介します。
(執筆者や本文の情報は執筆時のものです)

発達障害とは

クリンネス編集室

自閉症スペクトラム

 発達障害とは、学習、言語、行動などで発達が遅れた状態と捉えられています。発達障害のなかでも、自閉症、アスペルガー症候群、広汎性発達障害などは重なり合う部分もあり、厳密に区分することが難しい場合も多いため、合わせて「自閉症スペクトラム」という言い方をします。
 自閉症スペクトラムの方には、人との交流やコミュニケーションに支障を来したり、興味が著しく限局してパターン的な行動をとるなどの特徴があります。具体的には、会話がかみ合わない、言葉による指示が理解できない、敬語がうまく使えない、といったコミュニケーションの障害です。また、身振り手振りによる伝達などを理解するのも苦手です。一方、特定の物事に強く興味をもち、その領域に関しては膨大な知識をもつことがあります。また、特定の手順にこだわる傾向もみられます。
 これらの症状は個性の範疇に収まることも多く、少し変わった人で済む場合もあれば、周囲の人と軋轢を起こしてしまうこともあります。ご自分やご家族がこれらの特徴に当てはまると思っても、社会に適応できれば問題はないのですが、お子さんについて育てにくさを感じたり、ご自身が生きづらさを感じていれば、医療機関に相談してみてください。
 原因は特定されていませんが、脳の機能障害であり、しつけや親の育て方が原因ではないとされています。
(2020年7月号掲載)

注意欠如・多動性障害(ADHD)

 発達障害のなかには、ADHD(注意欠如・多動性障害)と呼ばれる障害があります。ADHDは、集中力がない(不注意)、じっとしていられない(多動性)、思いつくと即行動してしまう(衝動性)といった症状が発達年齢にそぐわない形で、通常7歳までに現れます。これらのうち、不注意の症状が優勢の場合もあれば、多動性・衝動性の症状が優勢の場合、症状が混在する場合もあります。
 うっかりミスが多い、忘れ物が多い、勉強や遊びに集中し続けられない、気が散りやすい、整理整頓が苦手、長く座っていられない、座っていても手足をもじもじと動かす、順番を待つのが難しい、他人の会話に割り込む、などの症状が見られ、注意してもなかなか改善しない場合にはADHDが疑われます。このようなときに、本人の特性を理解せずに強く叱ったりすることは、本人のやる気や自信を失わせ、不登校などの原因になってしまうこともあります。
 お子さんにこのようなことがあって困っていたり、育てにくさを感じたら、児童相談所、保健センター、児童家庭支援センターなどの専門機関に相談しましょう。小児期に適切な支援を受けずに、大人になってから対人関係などで問題が起こる方もいます。ご自分がADHDかと思われたら、精神科や心療内科などに相談してください。
(2020年8月号掲載)

学習障害(LD)

 発達障害のひとつに、学習障害があります。全般的な知的発達には問題がないのに、読む・書く・計算する、といった特定の分野に困難が生じます。それぞれ、読字障害、書字障害、算数障害に分類されますが、これらの学習が本格的になる小学校2~4年生頃に成績不振が目立つようになり、障害が明らかになってきます。
 読字障害では1文字ずつの拾い読みや、単語や語句を途中で区切って読んだり、文章を読んでいると疲れやすいなどの特徴があります。改善のためには、大きな文字で書かれた文章を指でなぞりながら読むといった工夫や、家族みんなで読書習慣を身につけることも大切です。
 書字障害は、そのほとんどが漢字についてです。まったく漢字を思い出せないものから、形は思い出せるけれど細部が曖昧となるような症例までさまざまなパターンがあります。大きなマス目のノートを使っての漢字の書き取りや、反復練習をする工夫で改善を図るとよいでしょう。
 算数障害では、足し算、引き算で躓(つまず)いて数列が理解できないといった症状がみられます。計算の過程を、絵を使って視覚化するなどを試してみましょう。
 学習障害はほかの発達障害に合併することも多いのですが、早期に障害を認知し、適切な支援を行っていくことが重要です。
(2020年9月号掲載)

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