Kanbunken 環境文化創造研究所

COLUMN

- コラム

弊所発行の「月刊クリンネス」に掲載された
過去の連載コラムの中から、
テーマ別に選りすぐりの記事をご紹介します。
(執筆者や本文の情報は執筆時のものです)

免疫力を高める食事

管理栄養士・野菜ソムリエプロ 篠原絵里佳

「3種のお皿」を意識する

 免疫とは、外から侵入した細菌・ウイルスなどを撃退する自己防御システムのことで、私たちの体の中ではさまざまな免疫細胞が協調し合って働いています。免疫力が低下すると細菌やウイルスなどに感染しやすくなるばかりではなく、肌荒れや疲労感、花粉症などのアレルギー症状が生じやすくなるなど、多くの不調があらわれます。逆にいうと、免疫力を高めることは快適で健康的な生活を送ることにつながるのです。
 免疫力を高めるためには、適度な運動や睡眠、食事などの生活習慣を整えることが大切です。体は食べたものから作られるので、食事は免疫力を高めるための要(かなめ)です。しかし、「これを食べれば免疫力が高まる」といった食品は存在しません。体にはさまざまな栄養素が必要であり、すべての栄養素が揃った食事、つまりバランスの良い食事が重要です。
 そこで、3種のお皿を揃えることを意識してみてはいかがでしょう。ご飯、パン、麺といった「主食」、肉・魚介・卵・大豆製品が主材料となる「主菜」、野菜・海藻・きのこ・芋・豆が主材料となる「副菜」の三種です。たとえば牛丼ですと、「牛肉=主菜、ご飯=主食」ですので、副菜にほうれん草のお浸しや具だくさんの豚汁などを追加することで、三種のお皿が揃います。バランスの良い食事を日々積み重ねることで、免疫力を高めることができます。
(2021年1月号掲載)

腸内環境を整えよう

 免疫力を高めるためには、バランスの良い食事と、その食事に含まれている栄養素をしっかりと消化し、体内に吸収させることが大切です。そのためには腸内環境を整えることがポイントになりますので、大腸に棲んでいる善玉菌を増やす食生活を心がけましょう。
 善玉菌となる「発酵食品」には、納豆、ぬか漬け、キムチ、ピクルス、ヨーグルトなどがあります。塩麹を調味料に使うのもお勧めです。そして、善玉菌の餌や便の材料にもなる「食物繊維」をしっかり摂りましょう。食物繊維は、野菜、海藻、きのこ、芋、豆、果物に豊富に含まれています。ひとつの食材に偏らず、いろいろな食材から摂ることが大切です。また、「オリゴ糖」も善玉菌の餌になります。大豆製品、ねぎ、玉ねぎ、キャベツ、トウモロコシ、アスパラガス、バナナ、はちみつなどに含まれています。
 水分や食事の量が少なかったり、糖質を減らしすぎたり、肉類などの動物性の油脂に偏った食事は、善玉菌が減り、悪玉菌が増える要因となってしまうため、注意が必要です。また、睡眠時間の不足や朝食を抜くことは、便秘の一因となりますので気をつけましょう。消化を良くするために、ながら食いを避け、よく噛んで食べることを意識してみてください。
(2021年3月号掲載)

免疫抗体の材料になる栄養素を摂ろう

 免疫力を高めるためにはバランスの良い食事が大切ですが、中でも免疫の要となる栄養素といえば、たんぱく質です。たんぱく質は、筋肉や血液、骨、皮膚、臓器、髪、爪といった体を作る働きがあることで知られていますが、体の働きを調整するホルモンや酵素、免疫抗体の材料にもなります。
 たんぱく質が豊富な食材は、肉、魚介、卵、大豆製品、牛乳などの乳製品です。ですから、主菜を毎食いただき、1日1~2回牛乳や乳製品を摂るように心がけましょう。主菜は、肉、魚介、卵、大豆製品を主材料とする料理のことですが、これらの食品は、手のひらに乗るくらいの大きさを目安に摂ります。卵や大豆製品は、手のひら半分の大きさ、肉や魚はそれぞれ100g程度が目安です。「毎食、手のひら大の主菜」と覚えておきましょう(ただし、食事療法をされている方はこの限りではありませんので主治医に相談してください)。さらに、これらの食品には、ビタミンやミネラルも豊富に含まれています。「肉を食べたら魚を食べる」といったように、2~3日の食事を振り返っていろいろな種類の主菜を摂ることも大切です。
 また、主食から糖質をしっかり摂ることで、たんぱく質は体内で効率よく働くことができますので、主食もしっかり食べましょう。
(2021年5月号掲載)

粘膜を強化して免疫力を高めよう

 免疫力を高めるために大切なことのひとつに、粘膜を強化することが挙げられます。体内にウイルスや細菌、花粉などの異物を侵入させないように体を守っているのが「粘膜免疫」といわれるもので、目、鼻、口、腸管などの粘膜を介して異物が体内に入るのを防いでいます。
 粘膜を作っている主な栄養素はたんぱく質ですが、粘膜を丈夫で健康にする主な栄養素はビタミンAです。ビタミンAは、レバーや卵黄、ウナギに豊富に含まれており、これらの食材にはたんぱく質も豊富です。
 また、ほうれん草や南瓜、人参、ブロッコリーなどの緑黄色野菜に豊富に含まれるカロテンは、体内に入るとビタミンAとして働きます。ビタミンAやカロテンは脂質と一緒に摂ることで吸収率が高まりますが、カロテンが豊富な食品には脂質が含まれていないため、脂質の含まれる肉や魚と組み合わせたり、チーズをのせて焼いたり、グラタンのようなホワイトソースに加えたり、胡麻和えや炒め物など、油脂が多いものと一緒に摂るようにしましょう。
 粘膜強化にはそのほか、ビタミンB6や鉄、亜鉛などのさまざまな栄養素も関わっているため、バランスのよい食事が大切です。また、腸は最も重要な免疫器官といわれていますので、腸内環境を整えることも大切です。
(2021年7月号掲載)

免疫の鍵を握るビタミン・ミネラル

 免疫力を高めるためには、バランスよく食べて、さまざまな栄養素を過不足なく摂ることが大切です。国民健康・栄養調査によると、免疫に関わるビタミンやミネラルが不足していることがわかります。
 免疫調整の働きのあるビタミンDは、ほぼすべての年代で不足しています。サケやイワシ、サバなどの魚や舞茸などのきのこ類に豊富に含まれていますが、手軽に摂れる食材に、しらす干しがあります。大さじ2杯強で1日に必要なビタミンDを摂ることができますので、和えものやごはんに振りかけるなど工夫してみてはいかがでしょう。
 ウイルスと闘う白血球を活性化するビタミンCも、多くの年代で不足しています。ビタミンCは調理による損失が多いため、生で食べられる果物がお勧めです。ウイルスの侵入を防ぐ粘膜を強化するために必要な栄養素はビタミンAで、緑黄色野菜に豊富に含まれています。ビタミンAやビタミンDは油と一緒に摂ることで吸収が良くなりますので、適度に油もとり入れましょう。また、アルコールを飲むことで大量に消費される亜鉛は、免疫反応に関わり、免疫の材料となるたんぱく質の合成にも必要ですので、アルコールを飲まれる方は意識して摂ると良いでしょう。牡蠣やアサリなどの貝、カニ、エビ、イカなどの魚介類、チーズ、レバー、牛肉などに豊富に含まれます。
(2021年9月号掲載)

睡眠と運動で相乗効果を

 免疫力を高めるためには、バランスの良い食事を心がけるだけではなく、睡眠や適度な運動も大切です。睡眠で大切なことは、睡眠時間を確保すること、質の良い睡眠をとること、起床時間と就床時間を日々同じ時刻にしてリズムのある睡眠習慣を身につけることです。睡眠時間は人それぞれに異なりますが、平均7~8時間は必要とされています。質の良い睡眠には、朝や日中、夜の過ごし方が大きく関わってきます。
 そのうちのひとつが、朝食です。眠りのホルモンといわれるメラトニンは必須アミノ酸の一種トリプトファンから作られるため、朝食をバランスよく食べることで、夜(朝食後14~16時間後)にメラトニンが分泌され、質の良い睡眠につながります。朝食のほか、日中、太陽光に当たることでもメラトニンは生成されやすくなりますが、夕食後に明るい光の下で過ごしたり、就寝1時間前からスマートフォンなどから発せられるブルーライトを見ると、分泌が抑制されてしまうこともわかっています。また、朝ご飯を食べることは良い眠りにつくことができるだけではなく、体内時計を整えたり、便通が改善されるなど、さまざまな健康面でのメリットがあります。
 日中は適度に体を動かすことも良い眠りにつくことにつながります。日々の積み重ねで、免疫力を高めましょう。
(2021年11月号掲載)

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