Kanbunken 環境文化創造研究所

COLUMN

- コラム

弊所発行の「月刊クリンネス」に掲載された
過去の連載コラムの中から、
テーマ別に選りすぐりの記事をご紹介します。
(執筆者や本文の情報は執筆時のものです)

野菜を美味しく食べて健康に(1)

管理栄養士・野菜ソムリエプロ 篠原絵里佳

「大根は丸ごと」いただく

 旬の野菜には、その季節に体が欲する成分が豊富に含まれています。体を温める糖質が豊富な根菜類の中で、年末年始で胃腸がお疲れ気味のこの時季に特にいただきたい冬野菜は大根です。
 春の七草のひとつ「すずしろ」として古くから親しまれている大根には、ジアスターゼというでんぷんの分解を促進する消化酵素が含まれるため、でんぷんが豊富なごはんなどと一緒に食べると、消化を助け、胃腸の働きをサポートしてくれます。ジアスターゼは、皮に豊富に含まれているので、皮ごとすり卸していただくのがお勧めです。加熱に弱く、時間とともに減少するため、食べる直前にすり卸し、生でいただきましょう。また、たんぱく質や脂質の消化酵素も含まれますので、大根おろしを添えることで、消化が促されます。すり卸すことで辛みの成分であるイソチオシアネートが生成されるので、抗酸化作用や殺菌作用、解毒作用も期待できます。大根は先のほうが辛みが強いため、そのぶんイソチオシアネートも豊富です。
 大根の先のほうは卸しに、真ん中はみずみずしく最も甘みがあるため、おでんやふろふきに、葉の近くは辛みが少なく硬いので、サラダがお勧めです。また、緑黄色野菜でもある大根の葉は栄養豊富です。大根を丸ごと食べて、寒い冬を健康に過ごしましょう。
(2022年1月号掲載)

春野菜の「秘めたパワー」

 新緑が芽吹き始める春。寒い冬を耐え忍び旬を迎える春野菜は、栄養成分を豊富に蓄えています。通年出回っている野菜でも、「新タマネギ」や「春キャベツ」のように「新」や「春」が付くものは柔らかく甘みがありみずみずしく、この時期にしか味わえない旨味が特長です。そのほかにも、菜の花、タケノコ、アスパラガス、グリーンピース、さやえんどう、明日葉、クレソンなど数多くの春野菜があります。春野菜には特有の苦味や辛味、アクが強いなど一癖ありますが、食卓の美味しいアクセントになります。
 「春の皿には苦みを盛れ」ということわざがあり、「春の食事には春の食材を食べましょう」という意味が込められています。私たちの体は、冬の寒さから身を守るために脂肪を蓄えますが、春になると代謝を活発にし、冬の間に溜まった脂肪や水分、老廃物を排出しようとします。このときに役立つのが、春野菜の苦味なのです。春野菜特有の苦味の成分は、植物性アルカロイドです。腎臓の「ろ過機能」を向上させ、新陳代謝を促し、老廃物を体外に排出する働きがあります。また、ルッコラやクレソンなどに含まれる辛みの成分であるイソチオシアネートは、肝臓の「解毒作用」を強化する働きも期待されます。
 春野菜たっぷりの食卓で、三寒四温の春を健康的に過ごしましょう。
(2022年3月号掲載)

トマトで老化を防ぐ

 春から初夏にかけては、トマトが美味しくなる季節です。トマトは、涼しい環境を好む野菜です。朝晩と日中の寒暖差が大きく、乾燥している今の季節は、原産地のアンデス山脈に気候が似ていて美味しさが増すのです。時間をかけてゆっくりと生長するため、水分量が少なく濃厚な味で、栄養価も高くなります。一方、夏のトマトは生長が早いため、水分量が多く、あっさりとした味になります。
 トマトに特徴的な栄養成分といえば、赤い色素成分のリコピンです。抗酸化作用に優れており、活性酸素を除去することで、老化を防ぎ、健康的な体作りに役立ちます。リコピンは、油と一緒に摂ることで吸収率が高まるため、油で炒めたり、チーズと一緒に焼いたり、生食する場合は油をかけていただくのがお勧めです。また、トマトはグルタミン酸という旨味成分が豊富なため、魚や肉の旨味成分であるイノシン酸と一緒に摂ると、相乗効果でさらに旨味が増します。肉や魚をトマトと煮込んだり、ソテーした肉や魚にトマトソースをかけていただくのもお勧めです。
 抗酸化作用のあるβカロテンも豊富に含まれており、リコピン同様、油と一緒に摂ることで吸収率が高まります。トマトのお尻にある放射状の白い筋が星形になっていると水分量が少なく味が濃いサインです。栄養成分が豊富に含まれている丸くて重いトマトを選びましょう。
(2022年5月号掲載)

ピーマンの美味しい話

 ビタミンCの宝庫、ピーマン。抗酸化作用に優れたビタミンCは、紫外線が強いこの時季に、しっかりと摂りたい栄養素のひとつです。熱に弱いビタミンCですが、ピーマンは繊維が緻密なうえにビタミンPも豊富なことから、加熱しても壊れにくいといわれています。
 青ピーマンは熟すと、赤ピーマンになります。赤ピーマンは苦みが少ないので、苦みが苦手な方はこちらを選びましょう。赤ピーマンは栄養価が高く、ビタミンCは青ピーマンの2倍以上含まれているうえに、抗酸化ビタミンであるカロテンやビタミンEも豊富です。これらは脂溶性のため、油脂と一緒に摂ることで吸収が良くなりますので、サッと炒めて食べるのがお勧めです。ピーマンの苦味が苦手という方は、繊維に沿って縦に切ると苦みが抑えられます。苦みがお好みの方は、繊維を断ち切って輪切りにすると、苦みを強く感じることができます。
 ピーマンのお勧めレシピを、ひとつご紹介します。縦に4等分に切り、種付きのまま、電子レンジで約1分半加熱して※ 、ごま油とポン酢とかつお節をかけて出来上がりです。苦みがなく、ピーマンの甘みを感じることができますので、ぜひ作ってみてくださいね。黄色やオレンジのピーマンも、カロテン、ビタミンC、ビタミンEが豊富です。食卓をカラフルに彩ってくれますので、華やかで楽しい食事を演出してくれます。
(2022年7月号掲載)

※ 使用する電子レンジにより異なる

旨みたっぷり舞茸

 通年出回っている舞茸ですが、天然の舞茸は9~10月に旬を迎えます。香りと旨味、歯ざわりの良さで人気のキノコは、栄養価が高いことでも知られています。特筆すべきはビタミンDが豊富なこと。ビタミンDは、カルシウムの吸収を良くして骨の健康を維持するために欠かせない栄養素ですが、ほぼすべての年代で不足しています。また、ビタミンDは脂溶性のため、油と一緒に摂ることで吸収されやすくなります。
 舞茸は、キノコ類の中でもβグルカンの含有量がトップクラスです。免疫力を高めたり、ガンの抑制効果、コレステロール値を下げる効果などが期待されています。また、不足しやすいビタミンB群や食物繊維も豊富に含まれています。
 舞茸の食感や旨みを活かした、簡単なレシピをご紹介します。手で食べやすい大きさに割いて器に載せ、電子レンジで約90秒※ 、加熱します。お好みの分量のごま油、ポン酢しょうゆ、かつお節でサッと和えれば、美味しい一品になります。冷凍すると旨みが増しますので、食べやすい大きさに手で割いて保存袋に入れて冷凍しておくと、そのままの状態で炒め物や煮物、揚げ物、みそ汁や鍋料理の具などに利用できます。
 白舞茸は、通常の舞茸より柔らかいのが特徴です。調理による色の流出がないため、見た目も美しく仕上げたいときには白舞茸がお勧めです。
(2022年9月号掲載)

※ 使用する電子レンジにより異なる

栄養価の高いブロッコリー

 晩秋の11月頃から3月頃が旬のブロッコリーは、栄養価が高いことで人気の野菜です。多くの野菜は実や葉、根を食べますが、ブロッコリーは花の部分(蕾(つぼみ))を食べます。蕾が小さく、粒が揃っていてきっちりと詰まっているもの、鮮やかな濃い緑色のものが、新鮮で美味しいサインです。
 ブロッコリーの栄養価は、野菜の中でもトップクラスを誇ります。特に、ビタミンCや食物繊維が豊富なことが特徴です。カリウムや鉄などのミネラルやβカロテン、またビタミンE、ビタミンK、葉酸などのビタミンも豊富です。ビタミンには脂溶性と水溶性とがありますが、どちらのビタミンも豊富に含まれているブロッコリーは、蒸し焼きにしたり、油で調理して食べたりするとよいでしょう。
 軽く洗ったブロッコリーを、小房に分けて耐熱容器に入れ、軽く水を振り、ふんわりラップをして電子レンジで1~2分加熱すると※ 、旨みも栄養素も流出されず、美味しくいただけます。ごま油、ツナ缶、ポン酢しょうゆでサッと混ぜ合わせるのもお勧めです。
 また、抗酸化作用に優れたスルフォラファンには、がん予防効果が期待されており、アメリカの国立がん研究所が疫学調査の結果に基づいて発表した「がん予防が期待できる食べもの」の上位にも入っています。
(2022年11月号掲載)

※ 使用する電子レンジにより異なる

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