Kanbunken 環境文化創造研究所

COLUMN

- コラム

弊所発行の「月刊クリンネス」に掲載された
過去の連載コラムの中から、
テーマ別に選りすぐりの記事をご紹介します。
(執筆者や本文の情報は執筆時のものです)

さまざまな健康障害

クリンネス編集室

睡眠障害

 夜にきちんと睡眠をとれない、いわゆる不眠症や、夜間によく寝たにも関わらず昼間にも眠くてしょうがないといった過眠症など、睡眠になんらかの問題が生じている状態を「睡眠障害」といいます。
 睡眠障害は、(1)不眠、(2)日中の過剰な眠気、(3)睡眠中に起こる異常行動や異常知覚など、(4)睡眠・覚醒リズムの異常、の4つに分類されますが、最も多いのは不眠で、日本では成人の5人に1人が不眠に悩んでいるといわれています。睡眠時無呼吸症候群など、本人が自覚できない睡眠障害もあります。
 夜によく眠れなかったり日中に眠くてしょうがないという場合には、自分の睡眠のどこに異常があるのかを検討し、寝室やベッドなどの睡眠環境や、睡眠習慣に問題がないかを考えてみましょう。不規則な生活を送っていると、睡眠・覚醒リズムが乱れて不眠になることもあります。
 昼寝は日中の眠気による居眠りなどに対しては有効ですが、長時間だとかえって睡眠・覚醒リズムを乱すと考えられますので15分程度が適当といわれています。また、過度の飲酒やカフェインの過剰な摂取も良質な睡眠を妨げます。いろいろな工夫をしても不眠や過眠が改善せず1か月以上も続くような場合には、大きな病気が隠れていることもあります。精神科や神経科、睡眠外来などを受診して医師に相談しましょう。
(2020年1月号掲載)

拒食症と過食症

 食欲がなくて病的に痩せてくる「拒食症」と、逆に大量に飲食をする「過食症」とを合わせて「摂食障害(中枢性摂食異常症)」といいます。それぞれ、「神経性食欲不振(無食欲)症」、「神経性大食(過食)症」という病名のつく精神神経疾患に分類されます。
 拒食症の多くは極端なやせ願望や、太ることへの恐怖からくる心理的ストレスが原因です。無理な食事制限や絶食をくり返し、自分の意思とは関係なく身体が食物を受けつけなくなります。スリムな人が好まれる現代文化の影響もあるのでしょうが、10代から20代の女性が多く発症し、病的な低体重をきたします。拒食症と過食症は、一見まったく逆の病気のようですが、実は表裏一体の関係にあります。
 過食症は一気に大量の食物を摂取するものの、飲食後に無理やり嘔吐(おうと)したり、下剤を使ったり、絶食するといった代償行為を伴います。過食の背景には、拒食症と同じように肥満への恐怖があると考えられており、拒食症から過食症へ移行したり、拒食と過食を繰り返す例も多くあります。代償行為を伴わない無茶食いなどは、病的な過食症とは区別されます。神経性の拒食症・過食症は、自分で気がつくのが難しい疾患です。また、家族や友人が急激に痩せてきたようなときは、身体的な病気が隠れていることもあります。専門医への受診を勧めてください。
(2020年2月号掲載)

オルトレキシア

 拒食症や過食症という病気とは別の摂食障害として、オルトレキシア・ネルボーザという概念があります。まだ疾患として確立した定義はないのですが、あえて直訳すれば「神経性の正しい食欲症」ということになるでしょうか。単にオルトレキシアと呼ばれることもあります。
 「正しい」、つまり「健康」的と信じる食品のみを食べ、それ以外の「不健康」だと考える食品を徹底的に避ける極端な摂食行動をとって、そのためにむしろ健康状態が悪化する状態がオルトレキシアです。健康、不健康の区分が本当に正しければ問題はないのかもしれませんが、オルトレキシアの状態に陥っている場合、「健康」にいいと信じているものだけを食べ続けているあまり、結果としてビタミンやミネラル、タンパク質などの身体に不可欠な栄養素が不足することが多々あります。
 たとえば、菜食主義であっても乳製品や卵を食べることが認められている場合には動物性のタンパク質が摂取できますが、厳格に植物性のみの食事にしようとすると、必須アミノ酸の不足が懸念されますし、総じてタンパク質の摂取量が不足しがちです。
 食と健康は、密接に関連しています。食品や栄養について本当に正しい知識を身につけて健康的な食生活を送ることが、オルトレキシアをはじめとする摂食障害を予防することにつながります。
(2020年3月号掲載)

適応障害

 近年、「適応障害」という病名を聞くことが多くなりました。WHO(世界保健機関)の診断ガイドラインでは、「ストレスを原因として引き起こされる情緒面や行動面の症状で、社会的機能が著しく障害されている状態」と定義されています。具体的には、生活のなかで生じるさまざまなストレスにうまく対処することができず、憂鬱な気分になったり、いろいろなことに強く不安を感じるような精神症状があらわれて、日常生活に支障をきたす状態(このような状態を「うつ状態」と呼ぶこともあります)をいいます。適応障害は、通常はストレス要因が発生してから1か月以内に発症し、ストレス要因がなくなれば6か月間以上症状が続くことはないと考えられています。しかしストレス要因が長く続く場合には、適応障害の症状も長期にわたって続くことがあります。
 適応障害の症状は、うつ病や不安障害、統合失調症などの症状と似ています。ほかの病気が原因となって症状があらわれると考えられるときは、ほかの病気の診断が優先されます。しかし、適応障害とほかの精神疾患を明瞭に区別できない場合も多く、発病当初は適応障害と診断されても、その後の経過で診断名が変わることもあります。
 強いストレスがあれば、誰でも気分は落ち込みます。もし日常生活に支障をきたすようであれば、精神科や心療内科を受診してみてください。
(2020年4月号掲載)

PTSD

 とても怖い思いをして強い精神的ストレスを受けたような場合に、その記憶が心の傷となって、時間が経ってもその経験が何度も思い出されて強い恐怖を感じ続ける状態になることがあります。このような病気を「心的外傷後ストレス障害」と呼びます。英語で表記した病名の頭文字をとって、PTSD※ ともいいます。
 PTSDは、震災や水害などの自然災害、火事や事故、暴力や犯罪被害などが原因です。誰でも怖い体験をしたあとには、ショックのあまり不安や緊張が続いて不眠や食欲不振になったり頭痛がしたりすることがありますが、通常は時間の経過とともに症状は徐々におさまります。しかし、これらの症状が数か月経っても改善せず、突然に怖い体験の記憶が蘇ったりするようなときはPTSDが疑われます。心の傷になるようなストレスを経験してから数週間または数年経って症状が起こることもあります。自分自身で思い当たるようなことがあるときは、精神科や心療内科を受診してください。
 トラウマになるような経験をしたあとに、自分でも気がつかないうちにPTSDの状態になっていることもあります。また、自分からその経験を言い出せない場合もありますので、ご家族や友人にPTSDが疑われるような方がいらしたら、受診をすすめてください。
(2020年5月号掲載)

※ Post Traumatic Stress Disorder

パニック障害

 はっきりした原因がわからず、突然に動悸やめまいがしたり呼吸が苦しくなったり手足が震えるといった発作が起こり、日常生活に支障を来す状態を「パニック障害」といいます。パニック障害やPTSD(心的外傷後ストレス障害)などを含めて、強い不安を感じて行動や心理的障害をもたらす状態を、広く「不安障害」と呼ぶこともあります。
 突然に動悸がして胸が苦しくなったり呼吸が苦しくなったりした場合、中高年以上の方ではまず、狭心症や心筋梗塞、肺の病気を疑います。しかし検査をしても異常がない場合には、パニック障害も考慮しなければなりません。災害などで強い恐怖を感じたときにパニック状態になるのは誰にでもあることですが、思い当たる原因がないのに予期せずパニック状態になること(パニック発作と呼びます)が、パニック障害の特徴です。何度もパニック発作を起こすと、再び発作を起こすのではないかと不安になって外出できなくなったり、電車やエレベーターに乗れなくなったりするなど、日常生活に支障が出てきます。
 不安や緊張などによって呼吸が速くなったために苦しくなる過換気症候群と呼ばれる病気も、パニック障害がベースにある場合が多いと考えられています。思い当たる症状がある方は、心療内科や精神神経科などの専門医を受診して相談してください。
(2020年6月号掲載)

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